マカオ新交通システムの日本製車両がマカオに到着
- 2017/10/29 14:46
- 澳日関係
マカオ政府運輸基建弁公室(GIT)は10月29日、広島県にある三菱重工三原製作所で生産、同月20日に出荷されたマカオ新交通システム(マカオLRT)の車両「オーシャンクルーザー」について、同日午前にマカオへ到着したと発表した。
マカオLRTの営業用車両がマカオに到着するのは今回が初めて。29日にマカオへ到着したのは営業用車両1編成(4両)とメンテナンス車両2台。今後、通関手続きを経て、トラックを使いタイパ島の海洋駅に搬入され、各種テストを実施するとのこと。搬入予定時期については、メンテナンス車両が11月4日、営業用車両は早くてその翌週になるとのこと。
マカオ初となる軌道系大量輸送機関として大きな期待がかかるマカオLRT第1期プロジェクトはマカオ半島北部の關閘から外港フェリーターミナル、新口岸、南灣湖を経由して媽閣に至るマカオ半島線、媽閣から西灣大橋を経てタイパ島に入り、大型IR(統合型リゾート)が建ち並ぶコタイ地区を通ってマカオ国際空港、タイパフェリーターミナルに至るタイパ線の2線、21駅、21キロメートルで構成される。
GITでは、第1期プロジェクトのうち、2012年末に先行着工したタイパ線(9.3キロ、11駅)の開業予定時期を「2019年」としているが、マカオ半島線は未定の状態が続いている。
マカオLRT第1期プロジェクトは、国際入札を経て日本の三菱重工と伊藤忠商事の共同体が駅舎と土木工事を除くLRTシステム一式を46億8800万パタカ(日本円換算:約663億円)で受注しており、マカオの公共工事として日本企業が獲得した最大規模の案件としても注目されている。東京の「ゆりかもめ」と同タイプ(クリスタルムーバー型)の日本製の鉄道車輌がマカオの街を走る予定。
昨今、マカオでも神戸製鋼所のデータ改ざん問題が報じられ、高い関心が寄せられている。GITは10月27日にプレスリリースを発出し、オーシャンクルーザーについて、神戸製鋼所が提供する製品は一切使用されていないことが確認されたとした。