マカオ政府、カジノIR施設で初となる大規模危機対策訓練実施
- 2018/1/23 18:35
- カジノ・IR
マカオ警察総局は1月23日未明、ギャンブル監理部門にあたるDICJと合同でコタイ地区にある大型カジノIR(統合型リゾート)ギャラクシーマカオにおいて大規模な危機対策訓練を実施。
両局のほか、治安警察局、司法警察局、ツーリズムクライシスマネジメントオフィス、消防局をはじめとした政府機関、カジノ運営企業から約350人が参加した。
今回の訓練実施は、昨年フィリピン・マニラとラスベガスのカジノ施設でそれぞれ相次ぎ襲撃・放火、銃撃事件が相次ぎ発生したことを受けてのもので、危機対処能力向上及び各部門間の連携確認を目的としたもの。
DICJによれば、マカオのカジノIR施設を舞台に大規模な危機対策訓練が実施されるのは、今回が初めてという。
今回の訓練は「オオカミ捕獲作戦」と名付けられ、4人組の武装強盗団がカジノエリア外で事件を起こし、巡回中の警察官とカジノ警備員が追跡するところからスタート。このうち2人が取り押さえられたが、追跡過程で負傷者が発生したとし、消防が病院に搬送する手順が確認された。また、男らは所持しているバッグ内に爆発物が入っていると話したことを受け、警察の爆発物処理班が出動して調査と現場の安全確保にあたり、司法警察局の鑑識課による証拠取集も行われた。調査の結果的、バッグの中身が爆発物でないことが突き止められた。
同時に、DICJがカジノ施設内の監視カメラ映像をチェックし、残る2人の行方を追ったところ、VIPルームに侵入し、刃物を手に人質を取って立て籠もっていることが判明。警察に通報し、治安警察局がカジノ施設内にいる人の避難誘導と秩序維持に、司法警察局のネゴシエーターが犯人との人質解放交渉にあたった。最終的に、交渉中の隙を狙って治安警察局の特別行動隊、俗称フライングタイガー部隊が出動し、一気に犯人を取り押さえた。
DICJは、今回の訓練終了後に発出したプレスリリースの中で、事前に期待した成果が得られたとの見方を示した上、今後もカジノ施設における警備体制、法執行機関との連携について継続的に検証を行い、適宜改善を進めていくとした。