マカオ行政長官、新交通システムの2019年開業に自信…タイパ線から
- 2018/3/4 17:23
- 産業・経済
マカオ特別行政区のフェルナンド・チュイ(崔世安)行政長官は3月4日、中国の全国人民代表大会出席のため訪問中の北京で記者会見を行った際、マカオ新交通システム(マカオLRT)の開業時期について言及。先行着工したタイパ線の2019年開業に自信を示した。
懸案となっていた車両基地上部構造工事の再入札のメドがつき、その他の工事についても順調に進んでいるとした。
マカオ初となる軌道系大量輸送機関として大きな期待がかかるマカオLRT第1期プロジェクトはマカオ半島北部の關閘から外港フェリーターミナル、新口岸、南灣湖を経由して媽閣に至るマカオ半島線、媽閣から西灣大橋を経てタイパ島に入り、大型IR(統合型リゾート)が建ち並ぶコタイ地区を通ってマカオ国際空港、タイパフェリーターミナルに至るタイパ線の2線、21駅、21キロメートルで構成される。
このうち、タイパ線(9.3キロ、11駅)が2012年末に先行着工済み。マカオ半島線についてはルート調整が難航するなど、現在まで本格着工に至っていない状況だ。そもそも、2011年3月時点では2015年4月開業を予定していたが、これまで複数回にわたって延期が繰り返されてきた。
マカオLRT第1期プロジェクトは、国際入札を経て日本の三菱重工と伊藤忠商事の共同体が駅舎と土木工事を除くLRTシステム一式を46億8800万パタカ(日本円換算:約615億円)で受注しており、マカオの公共工事として日本企業が獲得した最大規模の案件としても注目されている。東京の「ゆりかもめ」と同タイプ(クリスタルムーバー型)の日本製列車がマカオの街を走る予定。すでに日本からの車両の搬入はスタートしており、試運転開始に向けた準備が進められている。