マカオ、マネロン対策でKYC対応型ATM導入…引き出し額10分の1に=中国本土発行カード利用者に顔認証など要求
- 2018/4/8 12:06
- 社会・政治
マカオでは、マネーロンダリング(資金洗浄)防止対策の一環として、昨年(2017年)5月以降、KYC(Know Your Customer)と呼ばれる顧客確認プログラムを搭載したATM(現金自動預け払い機)の導入が進んでいる。
KYC対応ATMでは、中国本土の金融機関が発行したカード(デビットカード、クレジットカード)を利用した現金引き出し取り引きを行うにあたって非接触型ICチップを導入した身分証のタッチと顔認証で本人確認を行う必要があるほか、1回あたりの最大引き出し額が5000パタカ/香港ドル(日本円換算:約6万6000円)に設定されている。
マカオ政府経済財政庁の梁維特(ライオネル・リョン)長官は4月7日、政府系放送局TDMの報道番組に出演した際、世界に先駆けて全面導入を決めたKYC対応ATMの普及がほぼ完了した現在の1ヶ月あたりの引き出し額について、導入前から10分の1以下になったことを明かし、施策が成功したとの見方を示した。
また、マカオでは昨年11月から12万パタカ(約158万円)相当の現金等のマカオへの持ち込み、マカオからの持ち出しの際に申告を義務付ける法律の施行、ギャンブル運営会社や金融・保険機関に対する疑わしい取引の政府への届出制度の強化実施など、政府としてマネーロンダリング防止対策な手段を講じることで、国際社会におけるイメージアップを図り、ギャンブル業及びその他産業の発展につなげたいとした。