18年3月のマカオの悪質タクシー違反検挙数532件…前年同月から5割増=ぼったくりと乗車拒否が約8割占める
- 2018/4/13 8:21
- 社会・政治
近年、マカオでは一部の悪質なタクシードライバーによるぼったくりや乗車拒否が大きな社会問題となっている。消費者利益及び観光都市としてのイメージを著しく毀損する行為として警察と交通当局がパトロールを強化して臨んでいるものの、依然暗躍が続いている状況だ。
マカオ治安警察局は4月12日、今年(2018年)3月のタクシー及び白タクに対する取り締まり状況を公表した。
今年3月のタクシーの違反検挙総数は前年同月から50.7%増、前月から33.6%減の532件。ぼったくりが全体の54.5%にあたる290件、乗車拒否が同24.6%の131件で、全体のおよそ8割を占めた。特殊要因として、前月は多客期の旧正月シーズンがあったことによる影響が挙げられる。
ちなみに、昨年通期の違反検挙総数は前年から32.3%増となる5491件、このうちぼったくりが85.6%の大幅増となる3180件、乗車拒否が11.4%増の1574件で、検挙数全体の87.6%を占めた。
なお、実際には泣き寝入りなどもあるとみられ、統計に表れない悪質タクシーによる被害が相当数あると予想される。
マカオは面積約30平方キロメートルの小さな街だが、人口約65万人、年間訪マカオ外客数は約3250万人であるのに対し、タクシー総数は約1600台にとどまっており、需要に追いついていないとの見方もある。
現行法ではぼったくりや乗車拒否といった違反についてのドライバーへのペナルティが1000パタカ(日本円換算:約1万3300円)の罰金のみという極めて甘い内容であることも指摘されており、マカオ政府が法改正の準備を進めてきた。マカオ政府は4月10日、5年以内に4回のぼったくりや乗車拒否といった重大違法行為で検挙されたドライバーのライセンスを取り消しとし、向こう3年間は再試験を受けさせないこと、違反に対する罰金を最大3万パタカ(約39万9000円)に引き上げること、管轄を交通事務局から治安警察局に移すこと、改正法実施から1年以内に全車両にGPSおよび録音設備を導入することなどを盛り込んだ改正案をまとめたと発表したばかり。
また、今年3月のいわゆる白タクの検挙総数は前年同月から大幅減、前月から1件減となる18件。マカオでは2015年10月に世界各地でスマートフォン向け配車サービスを展開する「Uber(ウーバー)」がサービスを開始したが、警察及び交通事務局が白タクにあたるとの見解を示して取り締まりの対象としていた。その後、Uberは昨年7月21日をもってマカオでのサービス提供を停止している。