マカオ、18年3月のホテル客室稼働率87.0%…対前年4.3ポイント上昇

マカオは人口約65万人、面積約30平方キロという小さな街だが、世界遺産やカジノを核とした大型IR(統合型リゾート)に加え、マカオグランプリをはじめとした国際イベントが数多く開催されるアジア有数の観光都市として知られる。

昨年(2017年)通期の訪マカオ外客数は前年から5.4%増の延べ(以下同)3261万0506人となり、3000万人の大台を4年連続突破するとともに、2014年以来となる最多記録を更新。今年(2018年)3月の訪マカオ旅客数は前年同月から9.3%増の273万3311人、宿泊を伴う旅客は8.6%増の145万1263人に上った。

かつて、訪マカオ旅客の大半が日帰りだったが、昨今では宿泊を伴う旅客が増加傾向にあり、過半数を上回る月がほとんどとなっている。

マカオ政府統計調査局が4月30日に公表した最新統計によれば、今年3月の平均ホテル客室稼働率(簡易宿泊施設に相当するペンサオンを含む、以下同)は前年同月から4.3ポイント上昇の87.0%だった。

対前年の客室稼働率は大型台風により甚大な被害に見舞われた昨年8月に15ヶ月ぶりの下落となったが、9月は再び上昇に転じ、今年3月まで対前年プラスを維持している。

今年3月のホテル等級別の客室稼働率は、5つ星が前年同月から7.8ポイント上昇の90.1%、4つ星が1.0ポイント上昇の88.9%、3つ星が2.3ポイント下落の78.3%。なお、5つ星ホテルの供給客室数が8.5%増、4つ星ホテルが横ばい、3つ星ホテルが2.6%増だった点も考慮する必要がある。

今年3月末現在、マカオで営業中のホテル数は前年同月から7軒増の115軒、供給客室数は同6.4%増の3.87万室あり、このうち5つ星ホテルが34軒で、供給客室数は全体の61.2%を占める2.37万室。

今年3月のマカオのホテル宿泊客数は前年同月比8.2%増の114.3万人。主な内訳は中国本土旅客が9.5%増の76.8万人、香港旅客が1.2%増の13.1万人、韓国旅客が11.2%増の4.1万人、台湾旅客が4.1%増の3.9万人、日本旅客が1.3%減の1.7万人だった。ホテル宿泊客の平均滞在時間は前年同月から横ばいの1.4日。

今年1〜3月累計のホテル宿泊客数は前年の同じ時期から9.2%増の335.2万人、平均客室稼働率は5.3ポイント上昇の88.8%、ホテル宿泊客の平均滞在時間は0.1日延びて1.5日に。宿泊を伴う旅客全体に占めるホテル宿泊者の割合は0.6ポイント下落の73.0%。

昨今、マカオでは宿泊を伴う旅客が増加する一方、相次ぐ新ホテル開業による供給客室数の急増により一昨年5月まで15ヶ月連続で客室稼働率が下落していた。こういった状況の中、客室数の多い大型IR併設ホテルを中心に各社が値下げプロモーションによる積極的な集客を打ち出したことで、一定の需要喚起の効果があったためとみられ、同年初夏以降の客室稼働率は再び上昇に転じていた。

マカオではホテル建設ラッシュが続いており、近い将来、供給数は5万室超に達する見込み。

2018年2月に開業した1400室規模のホテルを併設する大型カジノIR(統合型リゾート)「MGMコタイ」(資料)=マカオ・コタイ地区-本紙撮影

2018年2月に開業した1400室規模のホテルを併設する大型カジノIR(統合型リゾート)「MGMコタイ」(資料)=マカオ・コタイ地区-本紙撮影

関連記事

最近の記事

  1.  マカオ治安警察局は11月21日、他人の身分証を使用してカジノへ入場した上、賭博で獲得した得たポイ…
  2.  冬のマカオの街を美しく彩る毎年恒例のイルミネーションイベント「ライトアップマカオ2024(中国語…
  3.  マカオ政府統計・センサス局(DSEC)は11月21日、今年(2024年)10月の訪マカオ外客数(…
  4.  マカオを中心にアジア、欧州で統合型リゾート(IR)施設の開発・所有・運営を行うメルコリゾーツ&エ…
  5.  マカオの新交通システム「マカオLRT(Light Rapid Transit)」を運営する澳門輕…

ピックアップ記事

  1.  マカオで統合型リゾート(IR)を運営するサンズチャイナと米国のホテル大手マリオットインターナショ…
  2.  マカオのマカオ半島側とタイパ島を結ぶ4番目の跨海大橋となる「マカオ大橋(澳門大橋/Ponte M…
  3.  マカオ政府旅遊局(MGTO)が国際旅客誘致策の一環として今年(2024年)1月1日から実施してい…
  4.  マカオの新交通システム「マカオLRT(Light Rapid Transit)」を運営するマカオ…
  5.  マカオ政府は6月17日、政府がコタイ地区の南東部に位置する約9万4000平米の国有地を活用し、約…

注目記事

  1.  日本も出場した女子バレーボールネーションズリーグ(VNL)予選第2週のマカオ大会が5月28日から…
  2.  マカオ治安警察局は3月5日、東京などからマカオへ向かう航空機内で窃盗を繰り返したとして中国人(中…
  3.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…
  4.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
  5.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年12月号
(vol.138)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun