マカオ、国際カジノ見本市「G2Eアジア2018」閉幕…開催規模過去最大=日本勢も存在感
- 2018/5/22 11:13
- カジノ・IR
今年で12回目となったアジア最大規模のカジノ見本市「G2E(グローバル・ゲーミング・エキスポ)アジア2018」が5月15日から17日までの3日間、マカオ・コタイ地区のIR(統合型リゾート)ヴェネチアンマカオのコタイエキスポホールで開催された。
G2Eアジアはアメリカゲーミング協会とリード・エグジビションズの共催で年に一度開催。マカオのみならずアジア地域を中心に世界中からカジノ業界関係者が集結し、業界の最新トレンドや技術を展示するほか、業界VIPスピーカーが登壇し、カジノ業界の最新情報や今後の展望などについて話し合うカンファレンスも多数用意されるなど、アジアにおけるゲーミング(カジノ)業界の情報、技術、人材が行き交う「ハブ」としての役割を担う見本市として重要視されている。
リード・エグジビションズによれば、3日間の来場者数は前年から17%増の1万6385人に達したとのこと。エキジビション面積は32%拡大の3.7万平米となり、いずれも過去最大規模となった。出展者数も過去最多を記録した前回並みの220で、うち35%が新規出展だったという。かつてはランドカジノ向けのスロットマシンやカジノ関連のサブライ品、サービスを中心とした展示が中心だったが、近年ではそれらに加えてオンラインベースのiゲーミングやeスポーツ関連の出展社も次々と華やかな大型ブースを構えるようになり、勢いを感じさせる。
G2Eアジアといえば、日系のカジノマシン及び関連機器、カジノ用品メーカーなどによる出展や内外の専門家による日本のカジノ解禁をテーマにした講演やパネルディスカッションが多くセットされるなど、日本の存在感が大きいことでも知られる。今回の日本関連の出展社は下記の通り。(五十音順、カッコ内は主な出展商品・サービス)
・アルゼゲーミングマカオ(カジノ機器)
・エンゼルプレイングカードマカオ(トランプ)
・共同印刷(ITソリューション、偽造防止技術、高機能素材)
・コナミオーストラリア(カジノ機器)
・JCMグローバル(紙幣計数機)
・パラダイスシティ *セガサミー(IR施設)
・マツイアジア(カジノゲーム用品)
各社とも、出展を通じてゲーミング市場における知名度向上及び自社製品・サービスのカジノオペレーターへ積極的にアピールしたい意向で、工夫を凝らしたブースを展開する。日本関連出展社の中で異色の存在に映るのが、大手印刷会社の一角、共同印刷だろう。同社は3年連続3回目の出展となる。前回に引き続き、カジノオペレーター向けにVRを活用した観光案内と日本からの集客プロモーションサポート、IR機器メーカー及びサービスベンダー向けに同社オリジナルの二次元コード「フルスキャンコード」による在庫管理システム、デジタルサイネージとスマートフォンアプリを連動させた多言語対応インフォメーション「マイ・ショッピング・コンシェルジュ」による多言語・オムニチャネル対応のソリューション、セキュリティシールなどの偽造防止製品のほか、新たにカジノ機器のパーツ梱包等への活用を想定した「モイストキャッチ」などの高機能材料を出展。IR業界はすそ野が広く、独特の技術やノウハウを有する日本の幅広い業者が参入できる可能性があることを示した格好だ。
隣接会場で開催される業界向けセミナーでも、日本のIR導入が大きなトピックとなった。会期初日の朝、オープニングキーノートで早い段階から日本市場への参入意向を示してきた国際カジノIR運営大手、メルコ・リゾーツ・エンターテイメント社のローレンス・ホー会長兼CEOが登壇し、日本市場の魅力や思いを熱く語ったほか、日本市場及びカジノ業界に精通した日本人を含む世界の有識者や日本進出を表明しているIR運営会社の関係者らが登壇する日本をテーマにした講演、パネルディスカッション等も複数開催された。
日本関連では、初日夜に初開催されたアジアのカジノ業界を対象とした「G2Eアジアアワード」授賞式において、12部門の受賞社(者)のうち、エンゼルプレイングカードがベスト業界イノベーション賞の栄冠に輝いたことも挙げられる。同社は世界のカジノ市場で高いシェアを持つトランプメーカーとして知られる。
現時点ではカジノのない日本だが、実は日系の電子カジノ機器メーカーやサプライヤーの製品については、すでにマカオを含むアジア、そして世界のカジノ市場に展開している。
G2Eアジアは来年(2019年)も5月21日から23日まで、マカオの同会場での開催を予定している。