18年7月のマカオの悪質タクシー違反検挙数528件…前月から3割増=ぼったくりと乗車拒否が8割占める
- 2018/8/8 10:48
- 社会・政治
近年、マカオでは一部の悪質なタクシードライバーによるぼったくりや乗車拒否が大きな社会問題となっている。消費者利益及び観光都市としてのイメージを著しく毀損する行為として警察と交通当局がパトロールを強化して臨んでいるものの、依然暗躍が続いている状況だ。
マカオ治安警察局は8月8日、今年(2018年)7月のタクシー及び白タクに対する取り締まり状況を公表した。
今年7月のタクシーの違反検挙総数は前月から32.3%増の528件。ぼったくりが全体の62%にあたる329件、乗車拒否が同19%の100件で、全体の81%を占めた。
ちなみに、昨年通期の違反検挙総数は前年から32.3%増となる5491件。内訳はぼったくりが85.6%の大幅増となる3180件、乗車拒否が11.4%増の1574件で、検挙数全体の87.6%を占めた。
なお、実際には泣き寝入りなどもあるとみられ、統計に表れない悪質タクシーによる被害が相当数あると予想される。
マカオは面積約30平方キロメートルの小さな街だが、人口約65万人、年間訪マカオ外客数は約3250万人であるのに対し、タクシー総数は約1600台にとどまっており、需要に追いついていないとの見方もある。
現行法ではぼったくりや乗車拒否といった違反についてのドライバーへのペナルティが1000パタカ(日本円換算:約1万3780円)の罰金のみという極めて甘い内容であることも指摘されており、マカオ政府が法改正の準備を進めてきた。マカオ政府は4月10日、5年以内に4回のぼったくりや乗車拒否といった重大違法行為で検挙されたドライバーのライセンスを取り消しとし、向こう3年間は再試験を受けさせないこと、違反に対する罰金を最大3万パタカ(約41万円)に引き上げること、管轄を交通事務局から治安警察局に移すこと、改正法実施から1年以内に全車両にGPSおよび録音設備を導入することなどを盛り込んだ改正案をまとめたと発表。6月末には24時間体制で警察官が応対する悪質タクシー通報ホットラインが開設されたばかり。
また、今年7月のいわゆる白タクの検挙総数は9件にとどまった。マカオでは2015年10月に世界各地でスマートフォン向け配車サービスを展開する「Uber(ウーバー)」がサービスを開始したが、警察及び交通事務局が白タクにあたるとの見解を示して取り締まりの対象としていた。その後、Uberは昨年7月21日をもってマカオでのサービス提供を停止している。