マカオで今年3人目の輸入性在郷軍人病感染者確認…患者は中国・広州渡航歴ある66歳男性

マカオ政府衛生局は8月13日、マカオで在郷軍人病(退役軍人病、レジオネラ肺炎)感染者を確認したと発表した。

SSMが発出したプレスリリースによれば、患者はマカオ人の66歳の男性で、慢性疾患があるとのこと。8月8日に発熱、咳、咽頭痛などの症状が現れたため、私立総合病院の鏡湖醫院を受診。肺炎の疑いがあるとして入院治療が必要と診断され、その後の尿検査で在郷軍人病に感染していることが判明したもの。現在、患者は同院に入院中で、発熱が続いているものの、容体は安定しているという。

患者はSSMの調査に対し、8月4日から5日にかけて中国広東省広州市へ旅行し、現地のホテルに宿泊していたと回答。SSMではマカオではなく旅行先で感染したものとの見方を示している。なお、旅行に同行した患者の友人及び同居の家族に類似の症状は見られなかったとのこと。SSMによれば、マカオで確認された輸入性在郷軍人病の感染者は今年に入って3人目で、今年1月に確認された1人目の患者はタイとミャンマー、今年8月6日に確認された2人目の患者は中国河南省と広東省への渡航歴があったという。

在郷軍人病はレジオネラ菌が引き起こす伝染病の一種で、菌を含む水が空調などを通じて飛散することによる空気感染すると考えられている。病名の由来は1976年に米国フィラデルフィアで開催された在郷軍人大会で集団発生したことによる。レジオネラ菌は多様な環境下に存在するが、20〜45℃の温水で成長しやすく、水のタンク、スパプール、噴水、家庭で用いられる医療用吸入器などから見つかることも多いとのこと。症状としては、発熱、空咳、呼吸困難、倦怠感、頭痛、筋肉痛、腹痛、下痢などが挙げられ、抗生物質による治療が可能とのこと。

マカオの大型総合病院として知られる鏡湖醫院(資料)-本紙撮影

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