マカオ政府、2018年度の全市民への現金配布作業完了…1人あたり約12.5万円、11年連続実施=カジノ税収潤沢で富の還元
- 2018/9/18 18:24
- 産業・経済
カジノ税という潤沢な財源を抱えるマカオ政府は、インフレ対策や富の還元を理由に2008年から市民に対する現金配布を毎年実施している。
実施11年目となる今年度(2018年度)の支給対象は2017年末時点で有効なマカオ特別行政区永久性居民(永久居留権保有者)及び非永久性居民(臨時居留権保有者)IDカードの保有者で、支給金額は前者が9000マカオパタカ(日本円換算:約12.5万円)、後者が5400マカオパタカ(約7.5万円)。
支給金額は2008年から2013年までは増額が続いたが、以降、歳入のおよそ8割を占めるカジノ税の計算根拠となるカジノ売上の下落を受け、2014年以降は5年連続で据え置きとなった。なお、マカオの月次カジノ売上は2014年6月から2016年7月まで26ヶ月連続で前年割れだったが、同年8月から今年8月まで25ヶ月連続で対前年プラスを維持しており、市民の間では、来年度の実施の有無や金額の増減について、11月に予定されている来年度施政方針の内容に注目が集まっている。
マカオ政府財政局は9月18日、7月頭からスタートした今年度の現金配布作業について、9月14日をもって完了したことを明らかにした。銀行振込による支給対象者(公務員及び事前登録者)が33万2759人、小切手の郵送による支給対象者が37万4322人おり、支給総額は61億7841万9000マカオパタカ(約857億円)だったとのこと。同日までの小切手の現金化率は67.3%という。
マカオ特別行政区では、現金配布のほかにも高齢者(満65歳以上)に対する養老金(年13回、年金に相当)と敬老金(年1回)の支給、医療クーポン券の配布、家庭用電気料金および上下水道料金の補助、所得税及び不動産税の減税、個人年金口座への資金注入など幅広く、市民が実感できるかたちでの成果の分配を実現する政策を継続実施している。