マカオで今年11人目の輸入性デング熱感染者確認…患者は広東省江門市訪問歴ある17歳男子学生=輸入性と域内感染近日相次ぐ
- 2018/10/12 11:55
- 社会・政治
マカオ政府衛生局(SSM)は10月11日午後、今年(2018年)に入って以降で11人目となる輸入性デング熱感染者を確認したと発表。
SSMによれば、患者はマカオ半島の中央にある高冠街に居住、マカオ半島北部の李寶椿街にある学校に通う男子学生(17)。患者は10月1日から2日及び6日から7日にかけて弟とともに親族訪問のため広東省江門に出かけており、6日に訪問先で発熱、筋肉痛、眼痛、頭痛等の症状が出たため、7日にマカオへ戻った後、公立総合病院の仁伯爵綜合醫院を受診。その後、10日になっても症状が続いたため、同院を再度受診し、デング熱検査を受けた。同日夜には熱が下がったものの、11日には下半身に発疹が現れた。11日にSSM公衆衛生研究所による検査結果が明らかとなり、デング熱1型に感染していることが確認された。
現在、患者は同院の救急外来で経過観察中にあるが、容体は安定しており、患者と同居の家族、学校のクラスメイトにデング熱特有の症状は見られないという。なお、マカオでは9月末に患者の居住地の近くで、マカオ半島旧市街地の中心部で交通の要衝にあたる水坑尾(ルア・ド・カンポ)地区周辺で域内デング熱感染例が3例連続して確認されているが、SSMでは、患者の渡航歴、症状、先に同一地区で連続確認された3例の域内デング熱がいずれもデング熱3型で型が異なることなどを踏まえ、輸入性デング熱であると判断を下した。SSMは、速やかに患者の勤務先周辺で蚊の駆除を実施する予定。
マカオでは昨年(2017年)域内デング熱感染が7例、マカオと隣接する広東省珠海市からの越境労働者の感染例が1例確認された。今年は1月、3月、4月、7月、8月、9月、10月にかけて輸入性デング熱感染が10例確認されており、患者はマレーシア(3例)、タイ(2例)、インドネシア(1例)、カンボジア(1例)、フィリピン(1例)、中国・広東省(2例)への渡航歴があった。また、6月に1例、9月に3例の域内感染例も確認されている。
SSMでは、目下、マカオはデング熱流行シーズンにあり、広東省、香港、台湾においても今年は域内性デング熱感染例が確認されているとのこと。特に、マカオとの往来が盛んな広東省の広州、中山、仏山、江門、深セン、肇慶、湛江、潮州、陽江の各市でもデング熱感染リスクが高まっており、訪問に際して注意が必要とした。デング熱予防のため、自宅やオフィス周辺で蚊の発生源となる水たまりの除去、流行地を訪れる際は淡色の長袖シャツを着用すること、宿泊する場合は空調付きまたは蚊帳などのある施設を選び、外出時は虫除けスプレー等を使用するよう市民に再度呼びかけた。目下、マカオは雨季にあたり、デング熱やジカ熱を媒介する蚊が繁殖しやすい環境となるため、域内においても注意が必要となる。
マカオは面積約30平方キロ、人口約65万人(海外労働者約18万人含む)の小さな都市で、訪マカオ外客数は年間3200万人超に達しており、人口密度が極めて高く、人の出入りも多い。