マカオで今年13、14人目の輸入性デング熱感染者相次ぎ確認…10月の患者5人全員が広東省訪問歴

マカオ政府衛生局(SSM)は10月27日午後、今年(2018年)に入って以降で13人目、14人目となる輸入性デング熱感染者を相次いで確認したと発表。

SSMによれば、最初の患者はコロアン島の石排灣地区に居住、マカオ半島北部の菜園新街で勤務する男性(46)。患者は10月17日から20日にかけて妻と娘とともに親族訪問のため広東省江門市に出かけており、マカオに戻った後の24日に発熱、頭痛、関節痛等の症状が現れたため、26日に公立総合病院の仁伯爵綜合醫院を受診し、デング熱検査を受けた。現在、患者はすでに熱も下がっており、同行した妻と娘にデング熱特有の症状は見られないという。

第二の患者はマカオ半島北部の魚翁街に居住する無職の女性(53)。患者は10月1日から7日、15日から18日にかけて夫とともに広東省珠海市斗門区の住宅に滞在しており、マカオに戻った後の22日に発熱、全身痛、食欲不振の症状が現れたため、25日に私立総合病院の鏡湖醫院を受診し、デング熱検査を受けた。現在、患者は発熱が続いている状況であるが、容体は安定しており、同行した夫及び家族にデング熱特有の症状は見られないという。

27日にSSM公衆衛生研究所による2人の検査結果が明らかとなり、いずれもデング熱1型に感染していることを確認された。SSMでは、患者の渡航歴、症状などを踏まえ、輸入性デング熱であると判断を下した。SSMは、速やかに患者の住居及び勤務先周辺で蚊の駆除を実施する予定。

このほか、今年9月28、29日にマカオ半島旧市街地の中心部で交通の要衝にあたる水坑尾地区で3例のデング熱域内感染が確認された事案について、すでに大規模な蚊の駆除を実施してから28日が経過し、以後、新たな感染事案が発生していないことから、域内感染については終息したとの見方を示した。

マカオでは昨年(2017年)域内デング熱感染が7例、マカオと隣接する広東省珠海市からの越境労働者の感染例が1例確認された。今年は1月、3月、4月、7月、8月、9月、10月にかけて輸入性デング熱感染が12例確認されており、患者はマレーシア(3例)、タイ(2例)、インドネシア(1例)、カンボジア(1例)、フィリピン(1例)、中国・広東省(4例)への渡航歴があった。10月に入って以降の患者は今回の2人を含めて5人となったが、全員が広東省を訪問していた。域内感染例は6月の1例、9月の3例の計4例。

SSMでは、目下、マカオはデング熱流行シーズンにあり、広東省、香港、台湾においても今年は域内性デング熱感染例が確認されており、特に、マカオとの往来が盛んな広東省の広州、中山、仏山、江門、深セン、肇慶、湛江、潮州、陽江の各市でもデング熱感染リスクが高まっており、訪問に際して注意が必要とした。デング熱予防のため、自宅やオフィス周辺で蚊の発生源となる水たまりの除去、流行地を訪れる際は淡色の長袖シャツを着用すること、宿泊する場合は空調付きまたは蚊帳などのある施設を選び、外出時は虫除けスプレー等を使用するよう市民に呼びかけている。

マカオは面積約30平方キロ、人口約65万人(海外労働者約18万人含む)の小さな都市で、訪マカオ外客数は年間3200万人超に達しており、人口密度が極めて高く、人の出入りも多い。

マカオの街頭に掲出されているデング熱への注意を呼びかけるサイネージ(資料)-本紙撮影

マカオの街頭に掲出されているデング熱への注意を呼びかけるサイネージ(資料)-本紙撮影

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