マカオ税関が密航事案相次ぎ摘発…中国人4人とフィリピン人1人の身柄拘束
- 2018/11/3 12:58
- 社会・政治
マカオ税関(澳門海關)は11月1日、10月30日未明に2つの密航事案を相次ぎ摘発し、中国人の男4人とフィリピン人の女1人の身柄を拘束し、関係機関に送致したと発表した。
最初の事案は10月30日午前4時頃に発生。税関の沿岸巡視員がカルヴァーリョ総督大橋のタイパ島に近い位置の海面を西灣大橋方向へ進む不審な木造モーターボートを発見し、付近に展開中の高速巡視艇に通報。高速巡視艇が西灣大橋付近でこの船に対する臨検を行った際、男3人、女1人が載っているのを確認したが、このうち男1人が海に飛び込み、中国本土方面に逃げ、行方が分からなくなったという。残る男2人、女1人は合法旅券の類を所持していなかったため、税関が身柄を拘束した。
2つ目の事案は、最初の事案から約30分後に発生。高速巡視艇がカルヴァーリョ総督大橋で別の木製モーターボートを発見。船には男2人が載っており、いずれも合法旅券の類を所持していなかったことから、身柄を拘束した。
5人の年齢は26〜60歳。このうち、1人が偽造の旅券類の所持で文書偽造罪、1人が蛇頭で密航ほう助罪、1人が違法再入境罪で、残る2人とともに司法機関へ送致。審理の後、蛇頭の男を拘留、残る4人は治安警察局に身柄を移されたとのこと。
マカオは1999年にポルトガルから中国に返還されたが、以降も独自の出入境管理を行っている。中国本土籍の旅客がマカオを訪れる際、香港マカオ往来通行証と呼ばれる渡航証とビザに相当する渡航許可を取得するのが一般的だが、およそ2〜3ヶ月に1回7日間といったかたちで一定期間内の入境回数や滞在日数などに制限が設けられていることなどから、違法な就労や賭博、観光などを目的とした密航やオーバーステイが後を絶たない。不法行為を手引きする蛇頭も暗躍し、超過滞在者の隠れ家となる違法宿泊施設の存在なども社会問題化している。