マカオ政府、中国版新幹線のマカオ乗り入れ実現可能性を調査へ=2019年施政方針で示す

マカオ特別行政区政府の崔世安(フェルナンド・チュイ)行政長官は11月15日、マカオ立法会で来年度(2019年1〜12月)施政方針演説を行い、近隣地域とのクロスボーダーインフラ整備についてよりスピードアップして取り組む姿勢を示した。

具体例のひとつとして、広東省の珠江西岸地域に位置する都市とマカオへの高速鉄道(中国版新幹線)の乗り入れの実現可能性を共同研究し、早期の国家高速鉄道ネットワーク入りを挙げた。

広東省の省都、広州市では、16日から広州市軌道交通一体化研究計画及び広州東駅総合交通ハブ計画プロジェクトの入札がスタート。公告によれば、このプロジェクトには、広州から珠江西岸の中山、珠海、マカオの4都市を結ぶ高速鉄道規格(最高時速350キロ)の新線が含まれている。

マカオと同じ中国の特別行政区にあたる香港では、今年(2018年)9月に広州から珠江東岸ルートを通り、深センを経由して香港に至る広深港高速鉄道が開業し、すでに乗り入れが実現済み。

2012年に広州とマカオに隣接する珠海を結ぶインターシティ鉄道が開通しているが、高速鉄道規格ではなく、最高時速は250キロとなっている。また、マカオからは一旦ボーダーを越えて往来する必要がある。

マカオに直接乗り入れる高速鉄道規格の新線が開業すれば、マカオと広州、さらには高速鉄道のハブである広州を経由して、その先の都市へのアクセスが飛躍的に向上すると予想される。

マカオの総人口は約66万人。昨年(2017年)の訪マカオ旅客数は約3250万人で、このうち約7割を中国本土からの旅客が占めた。

広州南駅に停車中の中国高速鉄道列車(資料)-本紙撮影

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