マカオ政府、12年連続で市民へ現金配布…7月から順次=支給額は前年から11%アップの約13.6万円、カジノ税収潤沢で富の還元

カジノ税という潤沢な財源を抱えるマカオ政府は、インフレ対策や富の還元を理由に2008年から市民に対する現金配布を実施しており、今年(2019年)で12年連続となる。

5月10日のマカオ行政会において、今年度の現金配布計画に関する法案がまとまった。今年度の支給対象は2018年末時点で有効なマカオ特別行政区永久性居民(永久居留権保有者)及び非永久性居民(臨時居留権保有者)IDカードの保有者で、支給金額は前者が1万マカオパタカ(日本円換算:約13.6万円)、後者が6000パタカ(約8.2万円)。6年ぶりの増額となり、アップ幅はいずれも11.1%。7月上旬から9月中旬にかけて記名式の小切手あるいは銀行振込で支給される。

今年度の支給対象者数は永久性居民が前年から2.1%増の67万0313人、非永久性居民が7.4%減の4万9321人で、合計1.3%増の71万9634人。現金配布計画実施にかかる予算は8.6%増の69億9905万6000マカオパタカ(約950.8億円)を見込む。

マカオ政府は、現金配布のほか、政府による個人年金口座への資金注入、医療クーポン券の配布、高齢者向けの敬老金及び養老金、出産補助金、学生向けの教科書補助、家庭用電気料金及び上下水道料金の補助、所得税減税、交通系ICカード「マカオパス」利用時のバス運賃の割引、不動産税の軽減といった施策についても継続実施する方針を示している。

マカオの今年度予算における居民への富の還元に関連する歳出の合計額は前年から45.4%増の187.47億マカオパタカ(約2546.7億円)に上る。

マカオ特別行政区による現金配布で市民に郵送される小切手のイメージ(資料)—本紙撮影

マカオ特別行政区による現金配布で市民に郵送される小切手のイメージ(資料)—本紙撮影

関連記事

最近の記事

  1.  マカオ市政署(IAM)は11月25日、コロアン島のコロアンビレッジにある路環街市(コロアン公設市…
  2.  マカオ政府財政局が11月22日に公表した最新の財政収支資料によれば、今年(2024年)1〜10月…
  3.  マカオ特別行政区政府民航局(AACM)は11月22日、同局と中国(本土)民用航空局、香港特別行政…
  4.  澳門海關(マカオ税関)は11月22日、治安警察局及び消防局と合同でマカオの4つの陸路イミグレーシ…
  5.  マカオの主要な空の玄関口・マカオ国際空港の運営会社にあたる澳門國際機場專營股份有限公司(CAM)…

ピックアップ記事

  1.  マカオ政府は6月17日、政府がコタイ地区の南東部に位置する約9万4000平米の国有地を活用し、約…
  2.  マカオで統合型リゾート(IR)を運営するサンズチャイナと米国のホテル大手マリオットインターナショ…
  3.  マカオのマカオ半島側とタイパ島を結ぶ4番目の跨海大橋となる「マカオ大橋(澳門大橋/Ponte M…
  4.  マカオの新交通システム「マカオLRT(Light Rapid Transit)」を運営するマカオ…
  5.  マカオ政府旅遊局(MGTO)が国際旅客誘致策の一環として今年(2024年)1月1日から実施してい…

注目記事

  1.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…
  2.  マカオ治安警察局は3月5日、東京などからマカオへ向かう航空機内で窃盗を繰り返したとして中国人(中…
  3.  日本も出場した女子バレーボールネーションズリーグ(VNL)予選第2週のマカオ大会が5月28日から…
  4.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
  5.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年12月号
(vol.138)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun