マカオ警察が無認可宿泊施設の摘発を実施…中国本土出身の男女16人滞在
- 2019/5/29 9:46
- 社会・政治
マカオ治安警察局は5月28日、市民から違法行為に関わっている者が多数いるとの通報を受け、このほどマカオ半島新口岸地区マンションの一室に対する立入検査を実施したと発表。
室内には中国本土出身の男女16人が滞在しており、警察の調査でこのうち男1人が無認可で宿泊施設を経営していたことはわかったという。男は警察の調べに対し、昨年(2018年)5月から毎月2万8000香港ドル(日本円換算:約39万円)の家賃で部屋を借りて宿泊施設として運用していたとし、1人あたり1泊100〜400香港ドル(約1490〜5570円)の宿泊費を徴収。これまでにおよそ11万香港ドル(約153万円)の利益を得ていたなどと供述しているとのこと。また、男はマカオの就労許可を持たずに利益を得る目的で違法行為に従事したとみられることから、労工局が当案件のフォローアップするとした。
その後、宿泊施設の許認可行政を管轄する旅遊局により無認可であることが確認されたため、この部屋の入口が封鎖されたという。
現場周辺はカジノ施設や雑居ビルが立ち並ぶ繁華街にあたる。マカオではしばしば無認可宿泊施設の摘発が行われているが、その多くが新口岸エリアとなっている。
マカオは1999年にポルトガルから中国に返還されたが、以降も独自の出入境管理を行っている。中国本土籍の旅客がマカオを訪れる際、香港マカオ往来通行証と呼ばれる渡航証とビザに相当する渡航許可を取得するのが一般的だが、およそ2〜3ヶ月に1回7日間といったかたちで一定期間内の入境回数や滞在日数などに制限が設けられていることなどから、違法な就労や賭博、観光などを目的とした密航やオーバーステイが後を絶たない。不法行為を手引きする蛇頭も暗躍し、超過滞在者の隠れ家となる無認可宿泊施設の存在なども社会問題化している。