マカオ税関が密輸事案相次ぎ摘発…未検疫のフルーツと大量の現金及び中古スマホ
- 2019/6/10 9:49
- 社会・政治
澳門海關(マカオ税関)は6月9日、同月3日から8日にかけて、港珠澳大橋マカオ側イミグレーション施設及びタイパフェリーターミナルの入境ホールにある税関検査場で未検疫のフルーツと大量の現金及び中古スマートフォンの密輸事案を摘発し、4人を対外貿易法違反で起訴したと発表。
港珠澳大橋マカオ側イミグレーション施設では、3日と8日にかけて「リスク管理システム」及び人手によるランダムチェックを通じて、未検疫フルーツの持ち込みを図った車両2台を発見。いずれもマカオ人が運転し、香港から到着したもので、車内にライチ、サクランボ、ブドウ、メロン、ビワといった複数種のフルーツ、合計160キログラム超が積まれていたとのこと。税関の調べに対し、2人の運転手は小売及び自家用として香港で購入したものと説明したというが、個人使用の範囲として認められる分量を超過しているとし、全量を押収し、食品行政を担当する市政署へ引き継いだとした。
タイパフェリーターミナルでは、7日と8日にかけて、入境ホールの税関検査場で申告物なしを意味する「緑色レーン」を通過した旅客のうち2人が大量の現金及び中古スマートフォンの無申告で持ち込んだのを発見したとのこと。大量の現金を持ち込んだのはの中国本土出身の自称商人で、バックパックの中に合計350万香港ドル(日本円換算:約4843万円)が入っていたが、無申告だった。また、大量の中古スマートフォンを持ち込んだのは自称内装工の香港人で、挙動不審のため手荷物チェックを実施したところ、バックパックの中、そして身体の腰の位置に巻きつけるかたちで80台を所持していた。すべて同一ブランドの商品で、仕入れ価格は7万香港ドル(約97万円)だったと説明しているというが、輸入に必要な申告書類を提示できなかった。
マカオでは2017年11月1日から12万パタカ(約161万円)以上の現金及び無記名で第三者へ譲渡可能な有価証券類を持ち込む際に税関申告を義務化する法律が施行となった。マネーロンダリング対策やテロ資金封じ込めのために国際規定に合わせて導入された措置。制限を超える現金及び有価証券類を持ち込む際には、イミグレーション施設の税関検査場で「申告物あり」を意味する赤色のレーンを進み、窓口にある所定の申告書に記載し、税関職員へ提出する必要がある。無申告の持ち込みが発覚した場合の罰則については、超過金額の大小によって1000〜50万パタカ(約1万3440〜672万円)の罰金が科せられる。
税関によれば、このところ港珠澳大橋マカオ側イミグレーション施設で大量の中古スマートフォンの無申告持ち込み事案が複数確認されていたが、不法分子が税関検査を回避するため、タイパフェリーターミナルへルート変更したものと見られるとし、近隣地域の税関当局と連携を取り合い、今後も継続して取り締まりを強化して臨むとした。