マカオ、改正法施行で悪質タクシー激減…違反摘発件数前月比約8割減=罰金値上げや違反累積での免許取消など罰則強化が抑止効果
- 2019/7/9 10:57
- 社会・政治
近年、マカオでは一部の悪質なタクシードライバーによるぼったくりや乗車拒否が大きな社会問題となっている。消費者利益及び観光都市としてのイメージを著しく毀損する行為として警察と交通当局がパトロールを強化して臨んだものの、暗躍が続いていた状況だ。
今年(2019年)6月3日から罰金の大幅値上げや違反累積(5年内に4回)での免許取り消し制度の導入といった罰則の強化、タクシーの監察機関が政府交通事務局(DSAT)単独から治安警察局を加えた体制とすることなどを盛り込んだ改正タクシー法が施行された。抑止効果による悪質タクシーの駆逐に期待が寄せられている。
マカオ治安警察局が7月9日に発表した内容によれば、改正法施行初月となる6月の違反検挙数は113件で、前月から77.0%の大幅減だったという。
内訳は、「ぼったくり」が85.6%減の47件、「乗車拒否」が82.6%減の21件、その他違反が横ばいの45件。その他違反には「乗客指定のメーターを使わず乗客に価格交渉を持ちかける行為」「乗客指定の目的地への輸送拒否」「交代時における車内及びトランク内の忘れ物確認及び警察への通報義務違反」「タクシー運転手ライセンスを隠す行為」「合理的ではない速度で客を乗せる行為」「休憩(交代)サイン掲出時に客を拾う行為」「出発時/目的地到着時に速やかにメーターを作動/停止させない行為」などが含まれる。
改正タクシー法におけるぼったくり、乗車拒否の罰金はそれぞれ最高1万5000マカオパタカ(日本円換算:約20.3万円)、3000マカオパタカ(約4.1万円)となっている。
マカオ治安警察局によれば、改正法施行後は違反検挙件数だけでなく、利用者からの苦情も減っているとのこと。同局では、タクシー業界と乗客双方の利益のため、マカオの良好なイメージを保持するため、タクシー運転手に対してプロフェッショナルとしての品格と遵法意識を持って仕事に臨むよう呼びかけた。
なお、昨年通期の違反検挙総数は前年から11.6%増となる6126件(1日当たり平均では約17件)。内訳はぼったくりが20.9%増の3846件、乗車拒否が15.1%減の1336件で、検挙数全体の84.6%を占めた。