マカオでツツガムシ病感染例みつかる=患者は庭師の27歳フィリピン人男性、容体安定

マカオ政府衛生局(SSM)は7月11日、マカオで感染症のツツガムシ(恙虫)病の感染例が1件報告されたことを明らかにした。

SSMによれば、患者はマカオの造園業者で庭師の仕事に従事するフィリピン人の男性(27)で、6月30日に発熱の症状が出たため、公立総合病院の仁伯爵綜合醫院救急外来を受診。この際のボディチェックにおいて、腹部に虫食い状の潰瘍が見つかり、医師が症状などからツツガムシ病であると診断を下した。現在、患者は同院救急病棟に入院して治療と経過観察中というが、容体は安定しているとのこと。患者の同僚及び同居の住人に類似の症状は出ていないという。

ツツガムシ病は日本で第4類感染症に指定されており、ツツガムシリケッチアと呼ばれる病原体の感染によって引き起こされる、人獣共通感染症のひとつ。野ネズミなどの哺乳類に寄生するダニの一種、ツツガムシのうちの一部が媒介者となる。ツツガムシが生息する野山や河川敷で罹患することが多い。ツツガムシ病の初期症状はインフルエンザににており、食欲減退、頭痛、悪寒、高熱などがみられ、4、5日目には発疹が現れる。放置すると肝臓や腎臓の機能にも影響が及ぶといわれる。

なお、SSMの調査に対し、患者は今年(2019年)1月に仕事のためフィリピンからマカオへ来たとし、作業地点は市内各所で固定されていないが、潜伏期間中にはマカオ半島北部の水塘馬路バス停付近の山林で除草作業をしていたと話しているとのこと。患者は潜伏期間内にマカオ外へ出かけていないことから、輸入性の感染事案とみられる。

マカオでツツガムシ病の感染例が見つかったのは昨年9月以来のこと。マカオで輸入性ではないツツガムシ病の感染例が見つかるのは極めて稀なケース。衛生局では、トレッキングの際にむやみに草むらに入らない、肌の露出が少ない服装を心がける、ダニに効く虫除けスプレーなどを使用するなどの防御策を徹底するよう愛好家らに呼びかけた。

マカオ政府衛生局(写真:GCS)

マカオ政府衛生局(写真:GCS)

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