営業距離世界最短のマカオ・松山ロープウェイで救助訓練実施

人口約67万人、年間インバウンド旅客数3500万人超を数えるマカオだが、実は鉄道がない。目下、東京・ゆりかもめ型の新交通システム「マカオLRT」の建設工事が進められている。広義の意味での鉄道としては、鋼索線の「松山ロープウェイ(中国語表記:松山纜車)」が存在する。

マカオ消防局は8月19日午前、松山ロープウェイを運営するマカオ市政署と合同で救助訓練を行った。訓練は故障に伴い2人の乗客がゴンドラ内に閉じ込められたという想定で、6台の緊急車両と24人の消防隊員を含む約40人が参加して実施され、高高度救助隊員がはしご車を使って乗客の救出に向かい、およそ30分で無事救出に成功したとのこと。

松山ロープウェイは、マカオがポルトガルから中国に返還される2年前にあたる1997年に営業を開始。マカオ半島北部の旧市街エリアにあるフローラ公園(二龍喉公園)内にある駅とマカオ半島で最も標高の高いギアの丘(松山または東望洋山)の山頂近くにある駅の間を結んでいる。営業距離はわずか186メートルで、ガイドブック等では「世界最短」として紹介されることも多い。

乗車時間は片道約1分20秒。短い時間だが、眼下には色とりどりの花が咲き、美しい緑が広がるフローラ公園、手前には昔ながらの住宅街、奥には世界遺産が密集する歴史市街地区の美しい景観を望むことができる。ギアの丘にある世界遺産・ギア要塞へのアクセスにも便利とあって、観光客はもちろん、市民の間でも身近なレジャー施設として親しまれている。

松山ロープウェイの運転時間は午前8時から午後6時までとなり、毎週月曜日は運休(祝日と重なる場合は翌日休)。運賃は片道2パタカ(日本円換算:約26円)、往復3パタカ(約40円)。

松山ロープウェイで実施された救助訓練の様子=2019年8月19日(写真:マカオ消防局)

松山ロープウェイで実施された救助訓練の様子=2019年8月19日(写真:マカオ消防局)

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