マカオ、改正タクシー法施行から3ヶ月目の違反摘発件数が前年同月比8割超の減少…罰則強化で抑止効果
- 2019/9/6 9:17
- 社会・政治
近年、マカオでは一部の悪質なタクシードライバーによるぼったくりや乗車拒否が大きな社会問題となっている。消費者利益及び観光都市としてのイメージを著しく毀損する行為として警察と交通当局がパトロールを強化して臨んだものの、暗躍が続いていた状況だ。
今年(2019年)6月3日から罰金の大幅値上げや違反累積(5年内に4回)での免許取り消し制度の導入といった罰則の強化、タクシーの監察機関が政府交通事務局(DSAT)単独から治安警察局を加えた体制とすることなどを盛り込んだ改正タクシー法が施行された。抑止効果による悪質タクシーの駆逐に期待が寄せられている。
改正タクシー法におけるぼったくり、乗車拒否の罰金はそれぞれ最高1万5000マカオパタカ(日本円換算:約19.8万円)、3000マカオパタカ(約4.0万円)。
マカオ治安警察局が9月5日午後に発表した内容によれば、改正法施行後3ヶ月目となる8月の違反検挙数は75件で、前年同月から79%の大幅減、前月からは23%増だった。
内訳は「ぼったくり」が前年同月から95%減の10件、「乗車拒否」が66%減の23件、その他違反が37%減の42件。
改正タクシー法施行後の6月3日から8月31日の累計では、違反検挙数が前年同時期から82%減の224件で、内訳は「ぼったくり」が前年同月から93%減の53件、「乗車拒否」が80%減の52件、その他違反が47%減の119件。
マカオ治安警察局では、タクシードライバーの間で遵法意識が明確に改善したこと、当局によるモニタリングと厳しい取り締まり姿勢の継続が数字として現れたとした。
同局によれば、改正法施行後にぼったくりと乗客指定場所への運送拒否で4回検挙されたタクシードライバーが1人おり、最初の3回の違反については罰金を納付済みで、4回目の違反については不服申立て手続き中とのこと。仮に4回目の違反が確定した場合には、免許取り消し(3年間再試験受験不可)の最初の例となる。
なお、昨年通期の違反検挙総数は前年から11.6%増となる6126件(1日当たり平均では約17件)。内訳はぼったくりが20.9%増の3846件、乗車拒否が15.1%減の1336件で、検挙数全体の84.6%を占めた。