マカオ税関が中国武警との連携で密航事案1件摘発…蛇頭と密航者5人の身柄拘束
- 2019/9/10 12:32
- 社会・政治
澳門海關(マカオ税関)は9月9日、密航活動に対する取り締まりを強化して臨む中、同日未明に密航事案1件を摘発し、海上及び沿岸で蛇頭と密航者計5人の身柄拘束に成功したと発表。
9日午前3時頃、中国人民武装警察部隊から密航に携わっていると疑われる不審なゴムボート1艇がタイパ島西部に向けて航行中との通報がマカオ税関に寄せられたという。マカオ税関職員が捜索に着手し、海沿いの路上で密入境者3人と蛇頭とみられる男1人の身柄の拘束に成功。その後、付近の沿岸で破棄されたゴムボートと船外エンジンが見つかった。税関では、逃走中の人物がいるとみて、密航防止連携メカニズムを発動。マカオ治安警察局と合同で捜索活動を展開する中、税関の高速艇が不審な木造船を発見し、操縦者1人の身柄を拘束した。
税関が身柄を拘束した5人はいずれも中国本土出身の男で、年齢は26〜45歳。船を操縦していた蛇頭とみられる男2人を密航ほう助罪で送検したほか、不法上陸者3人については、出入境管理を担当するマカオ治安警察局へ移送済みという。
マカオは1999年にポルトガルから中国に返還されたが、以降も独自の出入境管理を行っている。中国本土籍の旅客がマカオを訪れる際、香港マカオ往来通行証と呼ばれる渡航証とビザに相当する渡航許可を取得するのが一般的だが、およそ2〜3ヶ月に1回7日間といったかたちで一定期間内の入境回数や滞在日数などに制限が設けられていることなどから、違法な就労や賭博、観光などを目的とした密航やオーバーステイが後を絶たない。不法行為を手引きする蛇頭も暗躍し、超過滞在者の隠れ家となる違法宿泊施設の存在なども社会問題化している。