マカオグランプリ組織委がギアサーキットのFIAグレード2へのアップグレード発表…F3新規格対応で

 1954年にスタートした歴史あるモータースポーツの祭典、マカオグランプリ。1983年からフォーミュラ3(F3)グランプリが設けられ、アイルトン・セナ、ミヒャエル・シューマッハ、佐藤琢磨らが優勝を経てF1にステップアップするなど、若手レーシングドライバーの登竜門的存在として注目を集める大会だ。

 マカオグランプリ組織委員会は9月12日午後に記者会見を開き、今年(2019年)11月14日から17日までの4日間にわたり開催予定の「サンシティグループ第66回マカオグランプリ」に関する最新情報を発表した。

 組織委員会では、今年5月の記者会見で看板レースのひとつにあたる「サンシティグループF3マカオグランプリ-FIA F3ワールドカップ」について、FIA-F3チャンピオンシップが導入した規格を採用する計画を明らかにしていた。今回の会見において、従来規格の車両と比較して体積が大きくなること、馬力性能がアップすることなどを踏まえ、組織委員会と関連部門が国際自動車連盟(FIA)と緊密な連携を取り合った結果として、市街地に設営される全長6.2キロメートルのギアサーキットについて、FIAの分類における「グレード2」へアップグレードすることを正式発表した。具体的な対応として、FIAによるサーキット全般のコンピューター模擬分析を基にした提案を受け、マンダリンオリエンタルベント、リスボアベント、松山上路(海邊馬路)、フィッシャーマンズベントといったコーナー及び山側区間の改良に着手する。リスボアベントの緩衝エリアの拡大、コース各所に衝突保護フォームと新型安全クラッシュバリアの設置などが含まれるという。また、マーシャルによるマニュアルの旗信号を補完する電子レース旗(デジフラッグ)を新たに導入するとした。

マカオグランプリ組織委員会による記者会見の様子=2019年9月12日、マカオタワーにて本紙撮影

マカオグランプリ組織委員会による記者会見の様子=2019年9月12日、マカオタワーにて本紙撮影

 このほか、記者会見では地元カジノ運営大手のSJMホールディングスが5年連続で「マカオGTカップ-FIA GTワールドカップ」、フードデリバリーアプリを展開する地元IT企業のFOOD4Uが2年連続で「マカオツーリングカーカップ」のそれぞれ冠スポンサーを務めることも発表され、スポンサー契約セレモニーが行われた。スポンサー契約料はSJMホールディングスが460万マカオパタカ(日本円換算:約6091万円)、FOOD4Uが190万マカオパタカ(約2516万円)。SJMホールディングスは、かつて大会冠スポンサーを務めたこともある。ちなみに、今大会の冠スポンサーを務めるサンシティグループのスポンサー契約料は2500万パタカ(約3億3105万円)。サンシティグループによる大会冠スポンサーは6大会連続。

 サンシティグループ第66回マカオグランプリの観戦チケットはすでに発売を開始している。価格は11月14、15日の練習日が各スタンド共通で50パタカ(約660円)で前年から据え置きだが、17、18日の決勝日は若干の値上げで、400〜1000パタカ(約5300〜1万3240円)の範囲(席種により異なる)となっている。

SJMホールディングスとの「マカオGTカップ-FIA GTワールドカップ」冠スポンサー契約セレモニー=2019年9月12日、マカオタワーにて本紙撮影

SJMホールディングスとの「マカオGTカップ-FIA GTワールドカップ」冠スポンサー契約セレモニー=2019年9月12日、マカオタワーにて本紙撮影

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