マカオ、19年8月のインバウンド旅客数約362万人…対前年6.5%増=1〜8月累計も18.0%増、港珠澳大橋開通効果続く

 近年、訪マカオ旅客数は安定的な右肩上がりで推移している。また、昨年(2018年)10月24日に港珠澳大橋が開通して以降、明確な旅客増加傾向が確認されている。

 マカオ政府統計調査局は9月23日、今年(2019年)8月の訪マカオ外客数(インバウンド旅客数)統計を公表。月次のインバウンド旅客数は前年同月から6.5%増の362万3116人(延べ、以下同)だった。

 今年8月のインバウンド旅客全体のうち、宿泊を伴う旅客は前年同月から5.7%減の169万6797人だった一方、日帰り旅客は20.2%の大幅増となる192万6319人に上った。旅客の平均滞在時間は横ばいの1.2日で、宿泊を伴う旅客は0.1日延びて2.2日、日帰り旅客は横ばいの0.2日だった。

 国・地域別で最多だったのは中国本土旅客で、4.7%増の264万6406人。個人旅客に限ると1.3%減の129万6676人。中国本土旅客が全体に占める割合は73.0%。

 その他の国・地域では、人数が多い順に香港が19.7%増の66万6010人、台湾が1.2%増の9万5239人、韓国が5.0%減の6万2731人、フィリピンが26.7%増の2万5372人、日本が14.0%減の2万5171人。

 入境ルート別では、港珠澳大橋が加わったこともあり、陸路が33.7%の大幅増となる274万4594人。陸路の内訳では、マカオ半島北部の關閘が13.8%増の198万4024人、港珠澳大橋が陸路全体の16.3%にあたる44万8005人。一方、港珠澳大橋という新たな競合ルートが現れたこともあり、海路は50.2%の大幅減となる52万1939人にとどまった。空路は18.4%増の35万6583人。

 今年1〜8月累計の訪マカオ旅客数は前年の同じ時期から18.0%増の2743万7982人。宿泊を伴う旅客は5.7%増の1289万7108人、日帰り旅客は31.6%増の1454万0874人。国・地域別では中国本土旅客が19.1%増の1953万0804人で、全体の71.2%を占めた。その他の国・地域では、人数の多い順に香港が21.8%増の499万5346人、台湾が0.9%増の72万7511人、韓国が3.4%増の56万8243人、フィリピンが43.2%増の28万1291人、日本が6.5%増の22万1493人。

 昨年通期のインバウンド旅客数は前年から9.8%増の3580万3663人で、前年に続き過去最多を更新。国・地域別で最多だったのは中国本土旅客で、前年から13.8%増の2526万0556人。中国本土旅客が全体に占める割合は70.6%だった。

 なお、マカオのカジノ監理当局DICJが9月1日に公表した資料によれば、今年8月の月次カジノ売上は前年同月から8.6%減となる242.62億マカオパタカ(日本円換算:約3209億円)、1〜8月累計では1.9%減の1982.18億マカオパタカ(約2兆6216億円)で、インバウンド旅客数増による効果は限定的だったことが伺える。

港珠澳大橋のマカオ側と香港側のイミグレーション施設と往来するシャトルバスに乗り込む乗客=2018年10月24日、港珠澳大橋マカオ側イミグレーション施設内(写真:GCS)

港珠澳大橋のマカオ側と香港側のイミグレーション施設と往来するシャトルバスに乗り込む乗客=2018年10月24日、港珠澳大橋マカオ側イミグレーション施設内(写真:GCS)

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