マカオ、カジノディーラーと客に扮した仲間が組み不正行為繰り返す…当たり目にベットさせ配当払い出す手口
- 2019/10/4 11:14
- 社会・政治
マカオ司法警察局は10月3日、不正行為によりカジノ運営企業をに損失を与えたとして、マカオ半島皇朝地区にあるカジノ施設に勤務するマカオ人のカジノディーラー職の32歳の男とその仲間で中国本土出身の44歳と38歳の男2人の計3人を業務上横領容疑で逮捕したと発表。
警察発表によれば、9月30日夕方、カジノ運営会社の監視部門から「9月26から30日にかけて、あるディーラーが複数人と組んで不正を行い、24万5000香港ドル(日本円換算:約334万円)を騙し取られたを発見し、3人を取り押さえた」との通報があり、警察官が現場に急行してディーラーと客2人の計3人の身柄の引渡しを受けたという。その後の捜査で、このディーラーが担当するバカラのゲーミングテーブルにおいて、客に扮した男女4人の仲間を相手に、勝負の結果が確定した後、当たり目にチップを置かせて配当を出す不正行為を5回にわたって繰り返していたことが判明。
ただし、ディーラーは警察の調べに対し、今年8月に元同僚(同時に逮捕された中国本土出身の男の妻)の紹介で仲間と出会い、同じ方法で10回以上不正を繰り返し、分け前として40万香港ドル(約545万円)を受け取ったが、全て使い果たしたなどと供述したとのこと。ディーラーは2011年から同施設で勤務しているという。
また、客人扮した仲間の男2人の所持品の中から額面11万4000香港ドル(約155万円)分のゲーミングチップ、うち1人の自宅から7000人民元(約10万円)と4万香港ドル(約54万円)の現金が見つかった。警察では、3人を業務上横領罪で送検するとともに、少なくとも2人の仲間が逃走中として、行方を追っているとした。
マカオのカジノ施設でテーブルゲームに参加する際、現金ではなくチップを使用する。チップは少し分厚いコインのような形をしており、額面によって色やデザインが異なるが、いずれも小さく軽い。1枚10万香港ドル(約136万円)以上の高額チップも存在する。
チップはカジノフロアにあるキャッシャーと呼ばれるカウンターで額面の現金と交換することができる。つまり、現金そのもの。マカオのカジノでは、しばしばチップを狙った犯罪が発生している。

ゲーミングチップとバカラテーブルのイメージ(資料)—本紙撮影