マカオ税関が国慶節ホリデー期間中に2件の密航事案相次ぎ摘発…中国本土出身男女計10人の身柄拘束
- 2019/10/7 11:56
- 社会・政治
マカオでは、中国本土で7日間(10月1〜7日)の大型連休となり、年間最大の多客期のひとつとなる国慶節ホリデーシーズンを迎えている。
澳門海關(マカオ税関)は10月6日、国慶節ホリデー期間中の10月4日と5日にかけて、2件の密航事案を相次いで摘発し、海上及び沿岸の陸地で計10人の身柄拘束に成功したと発表。
1件目は10月4日夜に発生。マカオ半島とタイパ島を結ぶ友誼大橋のタイパ島側で密航活動が行われているとの通報が税関に入り、即時検挙行動を開始し、現場周辺の海上及び沿岸陸地のパトロールに出動。午後7時頃、税関の巡視艇がタイパ島北部沖にあるE1埋立地正面の海上で密航活動に関わっているとみられるプラスチック製のボート1艘を発見し、臨検を実施したところ、船内に2人の男がおり、うち1人が操縦役だった。その後、沿岸陸地のパトロールを行っていた税関職員が友誼大橋タイパ側出入口付近の草むらで男1人の身柄を確保、同時に発見した別の男1人は逃走したが、最終的に税関職員が身柄の拘束に成功した。税関の初期調査では、2人は密出境のため迎えの船を待っていたものとみられるとした。
2件目は5日午前4時頃発生。税関職員がタイパ島北部のカルヴァーリョ総督大橋出入口近くにあるロータリー付近の岸辺で密航活動を行なっているとみられる不審な男を発見し、身柄を確保。同じ時間、当該地点沖の海上で陸地に向けて航行中の木製ボート1艘がいたことから、税関の巡視艇が現場へ急行し、船内にいた男3人、女2人の身柄を拘束。このうち1人が操縦役だった。
2つの密航事案で身柄を拘束した10人(男8人、女2人)はいずれも中国本土出身で、年齢は28〜48歳。税関では、このうち男3人を「ほう助」、男1人を「隠匿」、男1人を「非法再入境」で送検し、残る5人の密航者については出入境管理を担当するマカオ治安警察局へ移送済みとした。
マカオは1999年にポルトガルから中国に返還されたが、以降も独自の出入境管理を行っている。中国本土籍の旅客がマカオを訪れる際、香港マカオ往来通行証と呼ばれる渡航証とビザに相当する渡航許可を取得するのが一般的だが、およそ2〜3ヶ月に1回7日間といったかたちで一定期間内の入境回数や滞在日数などに制限が設けられていることなどから、違法な就労や賭博、観光などを目的とした密航やオーバーステイが後を絶たない。不法行為を手引きする蛇頭も暗躍し、超過滞在者の隠れ家となる違法宿泊施設の存在なども社会問題化している。