ホテル建設ラッシュ続くマカオ、建設中及び設計段階が42軒…19年第3四半期=客室供給数は現状1.3倍の5万室規模に

 近年、マカオでは新興埋立地のコタイ地区及びマカオ半島の沿岸地区を中心に大型カジノIR(統合型リゾート)、ホテルを含む複合ビル等の建設ラッシュが続いている。

 マカオ政府土地工務運輸局は10月30日、今年第3四半期(2019年7〜9月)時点で建設中のホテルが18軒、設計段階のものが24軒あり、供給客室数は前者が6935室分、後者が4067室分に上ることを明らかにした。今年第2四半期と前年同時期との供給客室数の比較では、建設中のホテルが4.0%増と2.1%増、設計段階が16.6%減と28.1%減。(エリア別内訳は文末のデータ参照)

 マカオ政府統計調査局の最新資料によれば、今年8月末時点で営業中のホテル数は前年の同じ時期から3軒増の119軒、客室供給数は0.4%減の3万8500室となっており、これに建設中及び設計段階の数を加えると、将来的にホテル数が約1.4倍の161軒、客室供給数が約1.3倍の4万9502室となる。

 マカオは人口約67万人、面積約32平方キロという小さな街だが、世界遺産やカジノを核とした大型IR(統合型リゾート)に加え、マカオグランプリなどの国際イベントが数多く開催されるアジア有数の観光都市として知られ、昨年の年間訪マカオ旅客数は約3580万人に上った。

 なお、カジノ売上では米国ラスベガスのおよそ6倍という圧倒的な世界一のポジションにあるマカオだが、ホテル客室供給数では同市の約15万室を大きく下回っている。

 マカオの今年1〜8月累計のホテル宿泊客数は前年から1.6%増の942.8万人、平均客室稼働率は0.7ポイント上昇の91.6%だった。近年、大型ホテルの開業が相次ぎ、客室供給数も右肩上がりに増えているが、需要も追いついており、平均客室稼働率は高位をキープしている状況だ。

大型カジノIR(統合型リゾート)が建ち並ぶマカオ・コタイ地区の風景(資料)=2018年2月ー本紙撮影

大型カジノIR(統合型リゾート)が建ち並ぶマカオ・コタイ地区の風景(資料)=2018年2月ー本紙撮影

【資料】
2019年第3四半期時点で建設または設計段階のホテルデータ(エリア別)
<マカオ半島>
・建設中:13軒 1354室
・設計段階:19軒 1099室
<タイパ島>
・建設中:なし
・設計段階:1軒 126室
<コタイ地区>
・建設中:4軒 5570室
・設計段階:3軒 2385室
<コロアン島>
・建設中:1軒 11室
・設計段階:1軒 457室

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