マカオの19年7〜9月期実質GDP 前年比マイナス4.5%…3四半期連続マイナス

 マカオ政府統計調査局は11月15日、今年第3四半期(2019年7〜9月期)のマカオ特別行政区の域内総生産(GDP)を公表。

 今年第3四半期の実質GDPの成長率は前年比マイナス4.5%で、3四半期連続マイナスに。第2四半期のマイナス1.8%からマイナス幅も拡大した。主なマイナス要因として、サービス輸出の下落幅が拡大したことが挙げられる。外需の減速が続き、サービス輸出は4.7%の減、貨物輸出は0.5%の微増。一方で、内需の下げ幅は縮小。固定資本形成総額は8.5%下落、民間消費と政府最終消費はそれぞれ2.8%、4.3%の増に。貨物輸入とサービス輸入はそれぞれ1.6%、2.1%増。今年第3四半期の物価変動の程度を表す物価指数にあたるGDPデフレーターは前年比で2.4%上昇。

 民間消費は安定した成長だった。マカオ居民の耐久消費財への消費は12.4%の大幅な下落だったが、総体民間消費支出は前年から2.8%増で、増加幅は第2四半期並み。マカオ域内及び域外における世帯の最終消費支出はそれぞれ2.5%、3.4%上昇。

 政府最終消費支出は増加傾向を維持し、4.3%の上昇。このうち、職員報酬は2.5%増、購入商品及びサービスの純価値は6.2%の上昇だった。

 固定資産投資の下落幅は縮小した。今年第3四半期の固定資本形成総額は前年比実質8.5%の下落で、このうち建築投資が9.7%、設備投資が3.0%のそれぞれマイナス。住宅プロジェクト投資の減、不動産事業粗利益もまた減少したことで、民間建築投資は26.3%の下落。民間設備投資は1.7%の増加。一方で、政府が投資を拡大し、加えて港珠澳大橋人工島マカオ管理区の主要工事が竣工したことでベースの数値が下がったことから、政府の第3四半期における建築方面への投資は131.3%の大幅上昇。設備投資については19.3%減。

 貨物貿易も低調。民間消費が成長を維持するも、投資の減少は続いており、貨物輸入はわずか1.6%の上昇にとどまった。外需の減速で、貨物輸出も0.5%の軽微な増。

 サービス輸出の下落幅は拡大。外的要因の影響で、日帰り旅客は増加したものの、宿泊を伴う旅客が前年比1.2%減。宿泊を伴う旅客、日帰り旅客とも1人あたりの消費が大幅下落したことから、その他ツーリズムサービス輸出が12.4%の下落に。また、カジノVIPビジネスの後退を受け、ゲーミング(カジノ)サービス輸出が4.2%下落。サービス輸入は2.1%上昇。

 今年第1〜第3四半期の実質GDP成長率は前年比マイナス3.5%。主要項目別では、民間消費と政府最終消費がそれぞれ2.9%、4.9%の上昇、投資が22.1%減、貨物輸出が9.1%下落、貨物輸入が0.3%上昇、サービス輸出が1.9%下落で、このうちゲーミングサービス輸出は2.0%下落、サービス輸入は10.4%下落。

 このほか、2017年と2018年の経済成長率がそれぞれ9.9%、5.4%に上方修正された。2019年第1四半期と第2四半期の経済成長率はそれぞれマイナス3.8%、マイナス2.2%、上半期についてもマイナス3.0%に下方修正された。

マカオの町並み(資料)=マカオ半島・内港上空から空撮、2015年4月(写真:GCS)

マカオの町並み(資料)=マカオ半島・内港上空から空撮、2015年4月(写真:GCS)

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