マカオLRTタイパ線でトラブル…馬會駅で所定の位置に停車できず通過扱いに

 マカオ初となる本格的な軌道系大量輸送機関(鉄道)として今月(12月)10日に開業したばかりのマカオLRT(Light Rapid Transit)タイパ線で22日午後、営業運転中の列車が所定位置に停止できず通過扱いとなるトラブルが発生したという。

 運営会社のマカオLRT社が発表した内容によれば、22日午後1時頃、海洋駅からタイパフェリーターミナルに向かっていた列車が最初の停車駅となる馬會駅に差し掛かった際、所定の位置に停車できず、ドアが開かなかったとのこと。マカオLRTの列車は自動運転を行っているが、この列車はマニュアル運転だったといい、列車内にいた職員がコントロールセンターからの指示を受け、同駅を通過扱いとして次の運動場駅に向かい、およそ60人の乗客を降ろした後、検査のため車両基地へ回送したとのこと。列車の乗客は別の列車で目的地に向かい、このトラブルが運行ダイヤに及ぼす影響は軽微なものだったとした。なお、マカオLRTタイパ線では、すべての駅にホームドアが設置されている。

 マカオLRTタイパ線はタイパフェリーターミナル駅と海洋駅の間の9.3キロを結び、駅の数は11。沿線には香港や広東省主要都市との間を結ぶ高速船が発着するタイパフェリーターミナル、年間旅客数約950万人のマカオ国際空港、広東省珠海市の横琴新区との陸路のボーダーにあたるコタイ・イミグレーションといった陸海空の玄関口のほか、大型カジノIR(統合型リゾート)が密集するコタイ地区、著名観光地のタイパヴィレッジ、高層マンションが建ち並ぶ新興住宅街が存在。通勤、通学、観光の足として、定時到達性の高い鉄道の開通による利便性向上に大きな期待が寄せられている。日本の三菱重工の全自動無人運転車両システム(Automated Guideway Transit=AGT)を採用していることでも知られる。

マカオLRTタイパ線の起点となるタイパフェリーターミナル駅に停車中の列車=2019年12月10日本紙撮影

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