マカオLRTタイパ線で列車が駅間で緊急停止するトラブル=電力供給に問題か

 マカオ初となる本格的な軌道系大量輸送機関(鉄道)として今月(12月)10日に開業したばかりのマカオLRT(Light Rapid Transit)タイパ線で29日午後、営業運転中の列車が駅間で緊急停止するトラブルが発生した。

 マカオ政府系放送局TDMがラジオニュースで報じた内容及び運営会社のマカオLRT社が発表した内容を総合すると、29日午後1時頃、タイパフェリーターミナル駅から海洋駅に向かっていた列車がコタイ西駅とロータスチェックポイント駅の間で緊急停止。乗客が一時車内に閉じ込められたが、マカオLRT社の職員と消防局員が救助に向かい、手動でドアを開けて乗客を車両から降ろし、軌道上を歩くかたちでコタイ西駅のホームまで誘導したとのこと。今回のトラブルによる負傷者はいなかったが、体調不良を訴えた乗客が1名いたという。当時、マカオは雨模様だった。その後、午後2時35分に全線で運転を再開済みとなっている。

 マカオLRT社では、トラブルの原因について、当該駅間の電力供給に問題があった可能性があるとした上、より詳しい調査を進めているとした。

 なお、マカオLRTタイパ線におけるトラブルはちょうど1週間前の12月22日にも発生している。この時は、営業運転中の列車が馬會駅で所定位置に停止できずに通過扱いを余儀なくされたというもの。

 マカオLRTタイパ線はタイパフェリーターミナル駅と海洋駅の間の9.3キロを結び、駅の数は11。沿線には香港や広東省主要都市との間を結ぶ高速船が発着するタイパフェリーターミナル、年間旅客数約950万人のマカオ国際空港、広東省珠海市の横琴新区との陸路のボーダーにあたるコタイ・イミグレーションといった陸海空の玄関口のほか、大型カジノIR(統合型リゾート)が密集するコタイ地区、著名観光地のタイパヴィレッジ、高層マンションが建ち並ぶ新興住宅街が存在。通勤、通学、観光の足として、定時到達性の高い鉄道の開通による利便性向上に大きな期待が寄せられている。日本の三菱重工の全自動無人運転車両システム(Automated Guideway Transit=AGT)を採用していることでも知られる。

マカオLRTタイパ線の起点となるタイパフェリーターミナル駅に停車中の列車=2019年12月10日本紙撮影

関連記事

最近の記事

  1.  マカオ司法警察局は11月22日、違法薬物密売及び使用の疑いで香港人の女(37)を逮捕したと発表。…
  2.  マカオ・コタイ地区にある複合リゾート「リスボエタマカオ(澳門葡京人)」併設のショッピングアーケー…
  3.  在香港日本国総領事館は11月22日、同月14日に澳門日本会に対する在外公館長表彰授与式が執り行わ…
  4.  マカオ市政署(IAM)は11月21日、マカオ半島のギアの丘(松山)に位置する史跡「松山軍用隧道(…
  5.  マカオ政府衛生局(SSM)は11月22日夜、同日マカオ域内で輸入性デング熱感染を新たに1例確認し…

ピックアップ記事

  1.  マカオ政府旅遊局(MGTO)が国際旅客誘致策の一環として今年(2024年)1月1日から実施してい…
  2.  マカオのマカオ半島側とタイパ島を結ぶ4番目の跨海大橋となる「マカオ大橋(澳門大橋/Ponte M…
  3.  マカオの新交通システム「マカオLRT(Light Rapid Transit)」を運営するマカオ…
  4.  マカオで統合型リゾート(IR)を運営するサンズチャイナと米国のホテル大手マリオットインターナショ…
  5.  マカオ政府は6月17日、政府がコタイ地区の南東部に位置する約9万4000平米の国有地を活用し、約…

注目記事

  1.  マカオ治安警察局は3月5日、東京などからマカオへ向かう航空機内で窃盗を繰り返したとして中国人(中…
  2.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…
  3.  日本も出場した女子バレーボールネーションズリーグ(VNL)予選第2週のマカオ大会が5月28日から…
  4.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
  5.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年12月号
(vol.138)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun