マカオ、2019年通期のタクシー違反検挙数が対前年48%減…罰則強化盛り込んだ改正法施行以降は85%減、ぼったくり姿消す
- 2020/1/3 11:23
- 社会・政治
近年、マカオでは一部の悪質なタクシードライバーによるぼったくりや乗車拒否が大きな社会問題となっている。消費者利益及び観光都市としてのイメージを著しく毀損する行為として警察と交通当局がパトロールを強化して臨んだものの、暗躍が続いていた状況だ。
昨年(2019年)6月3日から罰金の大幅値上げや違反累積(5年内に4回)での免許取り消し制度の導入といった罰則の強化、タクシーの監察機関が政府交通事務局(DSAT)単独から治安警察局を加えた体制とすることなどを盛り込んだ改正タクシー法が施行された。抑止効果による悪質タクシーの駆逐に期待が寄せられている。
改正タクシー法におけるぼったくり、乗車拒否の罰金はそれぞれ最高1万5000マカオパタカ(日本円換算:約20.2万円)、3000マカオパタカ(約4.0万円)。
マカオ治安警察局が1月3日午後に発表した内容によれば、改正法施行後7ヶ月目となる12月の違反検挙数は49件で、前月から2.0%、前年同月からは91.3%のそれぞれ減だった。
内訳は「ぼったくり」が前年同月から99.7%減の1件、「乗車拒否」が83.9%減の18件、その他違反が58.3%減の30件。
昨年通期の違反検挙総数は前年から48.2%減となる3172件。内訳はぼったくりが50.6%減の1900件、乗車拒否が49.5%減の675件で、検挙数全体の81.2%を占めた。罰則強化を盛り込んだ改正法施行後(6月3日〜12月31日)に限ると、違反検挙総数は85.1%の大幅減となる475件にとどまった。内訳はぼったくりが96.4%減の73件、乗車拒否が81.8%減の121件。
改正法施行後、マカオにおけるタクシーの違反摘発件数は明確な減少傾向を維持しており、罰則強化による抑止効果が現れているといえる。
同局では、マカオの国際観光都市としての良好なイメージ、タクシー運転手と乗客双方の合法権益を守るため、タクシー業界に対して法令遵守を呼びかけているとした。