マカオ、2019年のカジノ関連犯罪件数は対前年14.5%増の2157件…警察が取り締まり強化

 マカオ司法警察局は1月9日午前、プレス関係者らを対象とした迎春座談会を開催。イベント冒頭、昨年(2019年)の犯罪概況、法執行活動、コミュニティー・ポリシング(地域住民の参加・協力による警民一体の警察活動)についてのブリーフィングが行われた。

 マカオといえば、約32平方キロという小さな地域に40軒ものカジノ施設が建ち並び、世界最大のカジノ売上を誇る都市として知られる。

 同局では、マカオ社会の安全・安定を保持するため、昨年は年間を通じてカジノ関連犯罪に対する取り締まりを強化して臨んだとのこと。昨年通期のカジノ関連犯罪認知件数は前年から14.5%増の2157件、カジノ関連犯罪での送検人数は14.1%増の2500人に上ったとのこと。

 カジノ関連犯罪の内訳は、高利貸し(602件)と高利貸しが原因の違法監禁(344件)が主で、それぞれ8.7%、11.7%増だった。同局では、主動的な取り締まりを貫徹する方針を掲げており、昨年はカジノフロア内における高利貸し犯罪をターゲットとした専門部隊を新たに3チーム編成し、現場において前年の倍となる59件の高利貸し事案の摘発に成功したほか、大きな抑止効果もあったとした。また、カジノフロアにおけるスリ対策専門チームも組織。パトロールを強化して臨んだ結果、窃盗事案は前年から2割超の減少だったという。

 カジノ周辺で違法な貨幣両替に従事する「換銭党」が絡む強盗や詐欺事件は前年から増加しており、司法警察局として高い警戒を維持し、警察総局の指揮の下、パトロール及び摘発を強化して臨んでいるとのこと。換銭党対策として、昨年司法警察局、ギャンブル規制当局(DICJ)、カジノ運営企業の三者で定期会議メカニズムを確立。昨年から司法警察局が換銭党リストをDICJと共有することで、カジノフロアへの入場を禁止する措置を導入。カジノ業界の秩序ある発展のための良好な治安環境作りのため、司法警察局とカジノ運営企業による合同ワークショップも継続開催し、カジノ従業員のモラルと犯罪通報能力の向上にも取り組んでいるという。

マカオ司法警察局が開催した迎春座談会の様子=2020年1月9日(写真:マカオ司法警察局)

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