マカオ、19年通期の総ギャンブル売上約4兆円…対前年3.5%減…カジノは平場が好調持続、占有率53.8%に

 豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノ施設ばかりが目立つが、実はマカオには競馬、サッカー及びバスケットボールを対象としたスポーツくじ、ロトといった各種合法ギャンブルも存在し、政府とコンセッション(経営権契約)を結ぶ民間事業者によって運営されている。

 マカオ政府博彩監察協調局は1月16日、昨年第4四半期(2019年10〜12月)及び通期の各種ギャンブル統計を公表。

 昨年通期の総ギャンブル売上は前年同時期から3.5%減の2933.12億マカオパタカ(日本円換算:約4兆0283億円)、このうちカジノによる売上は3.4%減の2924.55億マカオパタカ(約4兆0160億円)で、実に全体の99.7%を占めた。

 カジノ売上の内訳については、VIPルームによる売上を反映するVIPバカラ売上が18.6%減の1352.28億マカオパタカ(約1兆8571億円)。カジノ売上全体に占めるVIPルームの割合は8.6ポイントの大幅下落となる46.2%となり、第1四半期から4四半期連続で過半数を割り込んだ。一方、マスゲーミング(いわゆる平場)のバカラ売上は17.9%増の1207.73億マカオパタカ(約1兆6586億円)。マスのバカラ売上は2015年から5年連続で伸長しており、VIPからマスへのシフトが進んでいることが伺える。マカオのカジノではバカラが圧倒的なシェアを誇り、昨年通期のカジノ売上全体に占めるVIPバカラとマスゲーミングバカラ売上の比率は87.5%に上る。

 昨年末時点のカジノ施設数は前年同時期から横ばいの41軒で、ゲーミング(カジノ)テーブルの数は前年同時期から151台増の6739台、スロットマシンの数は950台増の1万7009台だった。

 カジノ以外の各種ギャンブルの売上については、競馬が3.0%減の0.98億マカオパタカ(約13.5億円)、中国式ロトが7.7%増の0.14億マカオパタカ(約1.9億円)、サッカーくじが20.8%減の5.34億マカオパタカ(約73.3億円)、バスケットボールくじが5.0%減の2.11億パタカ(約29.0億円)など。なお、ドッグレースはコンセッション満了により2018年6月末でレース開催を終了したためゼロ。

カジノのイメージ(資料)—本紙撮影

カジノのイメージ(資料)—本紙撮影

【資料1】2019年のマカオの月次カジノ売上の推移(カッコ内は前年比)
・1月:249.42億マカオパタカ=約3425億円(5.0%減)
・2月:253.70億マカオパタカ=約3484億円(4.4%増)
・3月:258.40億マカオパタカ=約3549億円(0.4%減)
・4月:235.88億マカオパタカ=約3239億円(8.3%減)
・5月:259.52億マカオパタカ=約3564億円(1.8%増)
・6月:238.12億マカオパタカ=約3270億円(5.9%増)
・7月:244.53億マカオパタカ=約3358億円(3.5%減)
・8月:242.62億マカオパタカ=約3332億円(8.6%減)
・9月:220.79億マカオパタカ=約3032億円(0.6%増)
・10月:264.43億マカオパタカ=約3631億円(3.2%減)
・11月:228.77億マカオパタカ=約3141億円(8.5%減)
・12月:228.38億マカオパタカ=約3136億円(13.7%減)
>1〜12月累計:2924.55億パタカ=約4兆0160億円(3.4%減)

【資料2】2013年〜2018年のマカオの年間カジノ売上の推移(カッコ内は前年比)
・2013年:3607.49億マカオパタカ=約4兆9538億円(18.6%増)
・2014年:3515.21億マカオパタカ=約4兆8271億円(2.6%減)
・2015年:2308.40億マカオパタカ=約3兆1699億円(34.3%減)
・2016年:2232.10億マカオパタカ=約3兆0651億円(3.3%減)
・2017年:2657.43億マカオパタカ=約3兆6492億円(19.1%増)
・2018年:3028.46億マカオパタカ=約4兆1587億円(14.0%増)

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