マカオと中国本土の主要な陸路の玄関口「關閘」の通関時間を3時間短縮へ…武漢原因不明肺炎防疫対策の一環

 中国・湖北省武漢市で集団発生している新型コロナウイルスによる肺炎(通称:武漢原因不明肺炎)について、世界各地で感染拡大に対する懸念が高まっており、中国本土からのインバウンド旅客が多いマカオでも、初の感染例が確認された1月22日以降、政府が矢継ぎ早に各種防疫対策を打ち出している。

 マカオでは、1月25日に春節(旧正月)を迎え、本来なら賑やかなムードが漂う時期にあたるが、政府主催の一連の祝賀イベントが中止となったもあり、例年にない静かな一日となった。中国本土では1週間の連休となっており、マカオ当局の事前予測によれば、春節3日目にあたる27日が中国本土旅客のマカオ訪問ピークになるとのこと。ただし、これまでのところ、旅客数は前年を大きく下回るペースで推移しているという。

 マカオ政府の新型コロナウイルス感染対策センターは25日、マカオと中国・珠海市拱北地区との主要な陸路の玄関口となる、マカオ半島北部の關閘イミグレーション(通称:ボーダーゲート)について、防疫対策を理由に27日から通関時間を午前6時から午後10時までに変更すると発表。通常の開門時間は午前6時から翌午前1時で、3時間短縮されることになる。

關閘イミグレーションの防疫施設を視察する賀一誠マカオ行政長官=2020年1月23日(写真:GCS)

 昨年(2019年)の關閘イミグレーション経由の出入境者数は延べ約1.45億人に上理、同年のマカオ全体の出入境者数の75%を占めた。拱北地区には中国本土主要都市との間を結ぶ高速鉄道駅やバスターミナルが存在する。

 マカオと中国本土を結ぶその他の陸路、海路の玄関口の通関時間に変更はないとした。マカオと香港の往来については、陸路、海路とも24時間体制が維持されている。

 なお、本稿執筆時点(26日マカオ時間午前8時30分)におけるマカオの新型コロナウイルス感染確認例は2例。22、23日に相次いで確認されたもので、いずれも武漢からの旅客。

中国本土とマカオの主要出入口となる關閘イミグレーション(資料)―本紙撮影

中国本土とマカオの主要出入口となる關閘イミグレーション(資料)―本紙撮影

関連記事

最近の記事

  1.  在香港日本国総領事館は11月22日、同月14日に澳門日本会に対する在外公館長表彰授与式が執り行わ…
  2.  マカオ市政署(IAM)は11月21日、マカオ半島のギアの丘(松山)に位置する史跡「松山軍用隧道(…
  3.  マカオ政府衛生局(SSM)は11月22日夜、同日マカオ域内で輸入性デング熱感染を新たに1例確認し…
  4.  マカオ治安警察局は11月21日、他人の身分証を使用してカジノへ入場した上、賭博で獲得した得たポイ…
  5.  冬のマカオの街を美しく彩る毎年恒例のイルミネーションイベント「ライトアップマカオ2024(中国語…

ピックアップ記事

  1.  マカオ政府旅遊局(MGTO)が国際旅客誘致策の一環として今年(2024年)1月1日から実施してい…
  2.  マカオで統合型リゾート(IR)を運営するサンズチャイナと米国のホテル大手マリオットインターナショ…
  3.  マカオの新交通システム「マカオLRT(Light Rapid Transit)」を運営するマカオ…
  4.  マカオのマカオ半島側とタイパ島を結ぶ4番目の跨海大橋となる「マカオ大橋(澳門大橋/Ponte M…
  5.  マカオ政府は6月17日、政府がコタイ地区の南東部に位置する約9万4000平米の国有地を活用し、約…

注目記事

  1.  日本も出場した女子バレーボールネーションズリーグ(VNL)予選第2週のマカオ大会が5月28日から…
  2.  マカオ治安警察局は3月5日、東京などからマカオへ向かう航空機内で窃盗を繰り返したとして中国人(中…
  3.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
  4.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
  5.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年12月号
(vol.138)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun