マカオ政府が武漢市含む湖北省からの旅客の隔離施設としてホテルを借り上げ…コタイ地区にあるポウサダ マリーナ インファンテ

 中国・湖北省武漢市で集中発生している新型コロナウイルスによる肺炎(通称:武漢原因不明肺炎)について、世界各地で感染拡大に対する懸念が高まる中、中国本土からのインバウンド旅客が多いマカオでも、官民の間で各種防疫対策が進んでいる。

 本稿執筆時点(マカオ時間30日午前9時20分)のマカオにおける新型コロナウイルス感染確認者数は7人で、いずれも武漢からの旅客。最後の感染確認は27日夜で、28日及び29日は新規感染確認はなかった。

 マカオでは、1月27日から武漢市含む湖北省からの入境制限(過去14日以内に武漢市含む湖北省滞在歴のあるマカオ人以外に合法医療機関が発行した医師による新型コロナウイルス未感染証明書の提出を必須化)やマカオ滞在中の武漢市含む湖北省からの旅客に対する強制隔離(速やかに中国本土へ戻るか、マカオ残留を希望する場合は滞在許可期限あるいは旅程の終了まで集中統一管理下に置かれ、隔離施設に収容されること受け入れるかの選択)といった新たな防疫措置が講じられた。

 マカオ政府新型コロナウイルス感染対策センターは1月30日未明、武漢市含む湖北省からの旅客の隔離施設として、コタイ地区にあるホテル「ポウサダ マリーナ インファンテ(皇庭海景酒店)」を借り上げると発表。

 これまで使用していたコロアン島にある公営の宿泊施設「ポウサダ デ ジュベンチュード デ ハクサ(黒沙青年旅舎)」の収容者数が29日午後9時30分時点で26人(男性13人、女性13人)となり、4人部屋と2人部屋が埋まり、残りが16人部屋のみとなったため、相互感染のリスクの増加を避けるため、30日から隔離者をポウサダ マリーナ インファンテに移すことになったとした。

 ポウサダ マリーナ インファンテは29日まで一般向けの営業を行っていたが、すでにすべての宿泊客がホテルを離れており、マカオ政府衛生局によるホテル従業員に対する防疫対応ガイドラインの説明も済ませたとのこと。マカオ政府が保安担当者をホテルに派遣し、管理を行うという。このホテルを選んだ理由については、住宅街から離れており、市民への影響が比較的少ないためとした。

マカオ・コタイ地区にあるホテル「ポウサダ マリーナ インファンテ」(資料)-本紙撮影

 マカオ政府旅遊局の資料によれば、ポウサダ マリーナ インファンテの等級は4つ星で、客室総数は298室。カジノはない。

 マカオ治安警察局が29日夕方のマカオ政府新型コロナウイルス感染対策センターによる定例記者会見で発表した内容では、同日午後4時時点でマカオに滞在している湖北省からの旅客数は237人(うち武漢市が105人)とのこと。27日の入境制限実施から29日午後4時までに520人がマカオへ入境しようとしたが、条件を満たす医師による新型コロナウイルス未感染証明書を提示できた人はおらず、全員が入境拒否となったとした。強制隔離実施後に同局のサポートでマカオから出境した人の数は176人だったという。

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