マカオのジャンケットプロモーター事業者数が7年連続減少…ピーク時半分以下の95に
- 2020/1/31 10:33
- カジノ・IR
マカオのギャンブル規制当局にあたるDICJは1月30日、ジャンケットプロモーターライセンスを獲得した事業者の最新リストを公表した。同リストは年に一度、1月末から2月頭にかけて更新されているもの。
最新版リストによる事業者数は前年から5減の95(法人が5減の85、個人事業主が横ばいの10)で、7年連続の減少。ピークだった2013年の事業者数213との比較で約55%減にとどまった。
ジャンケットプロモーターはカジノVIPルームにギャンブラーを仲介する業務を手がける。
なお、昨年(2019年)通期のマカオのカジノ売上は前年から3.4%減の2924.55億マカオパタカ(日本円換算:約3兆9910億円)で、3年ぶりに前年割れとなり、2年ぶりに3000億マカオパタカの大台を下回った。また、VIPルームのカジノ売上を反映するVIPバカラ売上についても18.6%減の1352.28億マカオパタカ(約1兆8454億円)だった。一方、マスゲーミング(いわゆる平場)のバカラ売上は17.9%増の1207.73億マカオパタカ(約1兆6481億円)。マスのバカラ売上は2015年から5年連続の伸長。
かつて、マカオのカジノ売上の大半をVIPルームが占めたが、近年はマス(平場)の占める割合が上昇している。昨年通期のカジノ売上に占めるVIPルームの割合は約46.2%で、前年から8.6ポイント下落。
昨年1月1日からカジノフロア内の全面禁煙化が実施され、これまでハイローラーと呼ばれる大口ギャンブラーを対象としたVIPルームは分煙だったが、同日以降は所定の喫煙ルーム内のみで喫煙が認められるかたちとなり、プレイしながら喫煙することが不可能となった。これによって、一部のギャンブラーがマカオ以外に流出した可能性があるとし、通期のカジノ売上のマイナスと因果関係を指摘する見方もある。また、マカオパタカは香港ドルを通じて米ドルと為替連動しているが、対ドルの人民元安も進んでいる。今年に入って以降、特にカジノにとって書き入れ時となる春節ゴールデンウィークにかけて新型コロナウイルスによる肺炎(いわゆる武漢原因不明肺炎)の影響で中国本土からの入境旅客数が大幅に減少しており、当面の間のカジノ売上に与えるインパクトも大きいとみられる。