マカオ、19日連続で新型コロナの新規感染確認ゼロ…新たに高発生地区として韓国滞在歴ある旅客の入境制限導入、日本の状況も注視
- 2020/2/24 10:15
- 社会・政治
中国・湖北省武漢市で集中発生している新型コロナウイルスによる肺炎について、世界各地で感染拡大に対する懸念が高まる中、中国本土からのインバウンド旅客が多いマカオでも、官民の間で各種防疫対策が進んでいる。
マカオ政府新型コロナウイルス感染対策センターは2月23日午後5時(現地時間、以下同)から定例記者会見を開催。同センターによれば、直近24時間以内に新たな新型コロナウイルス感染確認例はなかったとのこと。マカオにおける直近の新規感染確認は2月4日のことで、19日連続で新規感染確認ゼロとなった。
これまでの累計患者数は10人で、最初の7人が武漢からの旅客、直近の3人がマカオ人。すでに治癒し退院した人の数は6人に上り、いずれも武漢からの旅客。残る4人についても軽症で、発熱や明らかな呼吸困難といった症状はないとのこと。
目下、感染疑いで検査結果待ちが5人、隔離施設で経過観察中が10人存在。隔離施設にいる人の内訳はクルーズ船「ウエステルダム号」と「ダイヤモンドプリンセス号」のマカオ人乗客で20日、22日にカンボジアのシアヌークビルと日本の横浜から香港経由で帰還した5人(いずれも呼吸器関連症状なし)と14日以内に中国本土滞在歴のある就労ビザ保有者の5人とした。
このほか、近日、韓国において新規感染確認が急増していること、市中感染が広がっている状況を受け、韓国(全域)を新型コロナウイルス感染の高発生地区に指定することも発表。24日午前0時以降、14日以内に韓国滞在歴のある旅客は入境時に医学検査を受けることが必須となる。
医学検査ステーションは新たな防疫対策の一環として、2月20日に設置されたもの。マカオ半島北部の陸路の主要な玄関口にあたる關閘イミグレーション横の体育館、マカオ国際空港に隣接するタイパフェリーターミナルの2ヶ所にあり、新型コロナウイルス感染が多く確認された「高発生地区」からの入境者を対象(陸・海・空路すべて)に6〜8時間の検査が行われ、医師及び看護師による判断によって指定医療機関へ搬送して精密検査を実施するか、そのまま入境を認めるかが判断される。検査忌避はできないルールとなっている。
24日午前0時点においては韓国のほか、広東省、河南省、浙江省、湖南省、安徽省、江西省、江蘇省、重慶市、山東省、四川省、黒龍江省、北京市、上海市の中国本土の10省3市が指定されている。武漢市含む湖北省については、1月27日から合法医療機関が発行した医師による新型コロナウイルス未感染証明書の提出を必須化している。
マカオ政府では、高発生地区リストは状況に応じて随時更新するとし、香港や日本を含むその他の地区における流行状況も注視しており、今後の追加指定の可能性を排除しないとした。
マカオ政府は1月後半以降、一連の春節イベントの中止、世界遺産含む文化施設の一時休館、カジノ・娯楽施設の一時休業といった観光都市としての魅力をあえて消すと同時に、中国本土との往来を物理的に制限すること、マカオ住民に対しても不要不急の外出を控えさせる策などを講じることで、これまでのところ感染拡大の食い止めに成功しているといえる。