マカオ、14日以内韓国滞在歴ある全入境者を強制検疫の対象に…韓国での新型コロナ流行急拡大受け入境制限レベルを引き上げ

中国・湖北省武漢市で集中発生している新型コロナウイルスによる肺炎について、世界各地で感染拡大に対する懸念が高まる中、中国本土からのインバウンド旅客が多いマカオでも、官民の間で各種防疫対策が進んでいる。

マカオ政府新型コロナウイルス感染対策センターは2月25日午後、近日、韓国における感染が急拡大していることを受け、翌26日正午(マカオ時間)以降、マカオ入境前14日以内に韓国滞在歴あるすべての人に対し、強制検疫を実施すると発表。具体的には、該当者はマカオ政府の指定場所において14日間の医学観察を行う(マカオ政府または衛生局によるその他防疫措置を講じる可能性も含む)もので、指定ホテルでの隔離にかかる費用は自己負担になるとした。

14日以内に韓国滞在歴のある旅客に対しては、2月24日から医学検査ステーションにおける6〜8時間の医学検査の対象とする措置が講じられていたが、上記の新たな措置に置き換わる。

なお、マカオ政府は2月24日付で韓国に対する第2級警戒警報を発出し、韓国滞在中のマカオ居民に対する行程見直し及び不要不急の韓国への渡航見合わせを提案。すでにマカオと韓国各地を結ぶフライトは運休している。

目下、マカオ政府が中国本土以外で入境制限の対象としたエリアは韓国のみ。

マカオ政府が防疫対策の一環として設置した医学検査ステーション=マカオ・工人體育館(写真:GCS)

本稿執筆時点(マカオ時間2月26日午前10時50分)のマカオにおける新型コロナウイルス感染確認者数は累計10人で、内訳は7人が武漢からの旅客、3人がマカオ人。このうち武漢からの旅客7人が治癒し退院済み。2月5日以降、現在まで22日連続で新規感染確認ゼロが続いている。

マカオ政府は1月後半以降、一連の春節イベントの中止、世界遺産含む文化施設の一時休館、カジノ・娯楽施設の一時休業といった観光都市としての魅力をあえて消すと同時に、中国本土との往来を物理的に制限すること、マカオ住民に対しても不要不急の外出を控えさせる策などを講じることで、これまでのところ感染拡大の食い止めに成功しているといえる。

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