マカオ、27日連続で新型コロナの新規感染確認ゼロ…累計患者10人中8人が治癒し退院済み=5回目のマスク有償配給実施、学校の再開は4月下旬見込み
- 2020/3/3 10:16
- 社会・政治
中国・湖北省武漢市で集中発生している新型コロナウイルス感染症(COVID-19)について、世界各地で感染拡大に対する懸念が高まる中、中国本土からのインバウンド旅客が多いマカオでも、官民の間で各種防疫対策が進んでいる。
マカオ政府新型コロナウイルス感染症対策センターは3月2日午後5時(現地時間、以下同)から定例記者会見を開催。同センターによれば、直近24時間以内に新たな新型コロナウイルス感染確認例はなかったとのこと。マカオにおける直近の新規感染確認は2月4日のことで、27日連続で新規感染確認ゼロとなった。
これまでの累計患者数は10人で、最初の7人が武漢からの旅客、直近の3人がマカオ人。累計退院者は8人で、内訳は武漢からの旅客7人とマカオ人1人。武漢からの旅客は退院後すぐに専用車両で中国本土へ戻り、マカオ人についてはは再発症リスクを考慮して自宅へは戻さず、隔離施設へ移送しての経過観察となっている。残るマカオ人2人についても軽症で、発熱や明らかな呼吸困難といった症状はないとのこと。
このほか、5回目となるマスクの有償配給の実施概要が発表された。マカオ居民(マカオ居留権保有者)及び就労ビザ保有者向けに10日に1度、1人あたり10枚を原価にあたる8マカオパタカ(約110円)で提供するもので、今回は3月3日から10日間にわたって実施予定。第4回までの累計配給枚数は2200万枚に上った。
マカオ政府は1月後半以降、一連の春節祝賀イベントやMICEイベントの中止、世界遺産含む文化施設の一時休館、カジノ及びレジャー・娯楽施設の一時休業(カジノは2月5日から19日まで、レジャー・娯楽施設は同日から3月1日まで)といった観光都市としての魅力をあえて消すと同時に、中国本土及び他の高発生地区(現時点では韓国、イタリア、イラン)との往来を物理的に制限すること、マカオ住民に対しても不要不急の外出を控えさせる策などを講じることで、これまでのところ感染拡大の食い止めに成功しているといえる。
マカオでは、一時休業していたカジノやホテルの大半、さらには今週から政府の公共サービス、レジャー・娯楽施設(映画館、劇場、ゲームセンター、インターネットカフェ、ビリヤード場、ボーリング場、サウナ、マッサージ店、美容院、フィットネス、ヘルスクラブ、カラオケ店、バー、ナイトクラブ、ディスコ、ダンスホール等)、教育補助施設も防疫対策を講じた上で再開したが、入境制限を含む厳格な防疫対策を堅持されており、インバウンド旅客は激減したままだ。アジア有数の観光都市とあり、経済的打撃は大きく、試練の日々となっている。マカオ政府は、域内の状況は落ち着いているものの、周辺地区において流行は続いており、引き続き警戒を緩めず、特に不要不急の外地との往来を避けるよう呼びかけている。
なお、学校については1月下旬の春節(旧正月)休み以降、1ヶ月以上にわたって休校が続いており、オンラインを活用した教育活動が行われている。再開時期について、政府は「マカオ及び広東省で新規感染確認がゼロが14日間続き」かつ「広東省珠海市及び中山市で学校の再開が発表される」という2つの条件を満たした上、その14日後以降という方針を示している。政府教育青年局は2日の記者会見の中で、前日(1日)広東省で新たな輸入性の新規感染確認があり、再度14日間待つことになるが、4月下旬には再開できるとの予想に変わりはないとした。