武漢からチャーター機でマカオに帰還した57人全員が陰性…14日間でウイルス検査3回実施…自宅での隔離へ移行

 マカオ政府新型コロナウイルス感染症対策センターは3月19日午後5時(現地時間、以下同)から開催した定例記者会見の中で、同月7日にマカオ政府が用意したチャーター機の第一便で武漢からマカオに帰還した57人の最新状況を明らかにした。

 マカオ国際空港到着後、57人は隔離場所となるコロアン島にある公共衛生臨床センターに直接移送され、潜伏期間とされる14日間の医学観察が行われている。政府衛生局の李展潤局長によれば、期間中、3回にわたって新型コロナウイルス核酸検査(NAT=Nucleic Acid Test)を実施し、結果は全員が3回とも陰性で、発熱や呼吸器系の症状もなかったとのこと。医学観察期間が20日に満了することから、以降は14日間の自宅での隔離に移行するとした。また、同行した衛生局の医療スタッフ、旅遊局スタッフ、マカオ航空の乗員についても感染はなく、今回の救援任務は関係各所の努力と協力の下、成功を収めることができたと感謝を述べた。

 第一便の対象者は武漢天河国際空港へのアクセスが比較的容易な(移動中の感染リスクを考慮)武漢市及びその周辺に滞在し、発熱や咳の症状、医療機関訪問歴、患者との接触歴がいずれもなく、空港まで自力で来ることができるという条件を満たした上、搭乗前の健康検査をクリアした人たちだった。依然として封鎖が続く武漢を含む湖北省には現在も100人以上のマカオ居民が残留しているという。チャーター機の第二便以降の予定は未発表となっている。

3月19日夕方に開催されたマカオ政府新型コロナウイルス感染症対策センターによる定例記者会見(写真:マカオ政府新型コロナウイルス感染症対策センター)

 本稿執筆時点(3月20日午前9時)のマカオにおける累計患者数は17人。2月4日までに武漢からの旅客が7人、マカオ人が3人の感染が確認されて以降、40日間にわたって新規感染確認ゼロが続いたが、今週に入って以降、中国以外の海外からの輸入症例が相次いでいる。2月4日以前の感染確認者については、3月6日までに全員が治癒し退院済みで、重症化、死亡、院内感染例はいずれもなかった。

 目下、指定医療機関となる仁伯爵綜合醫院(通称:山頂醫院)の隔離病室で入院治療を受けているのは、今週感染確認された7人。19日夕方の記者会見では、重症化した人はおらず、いずれも容体は良好であるとされた。隔離病室のキャパシティについては、232の病床を準備しており、医療スタッフも充足しているとのこと。

 世界的に流行が拡大する中、政府は輸入例に対する警戒を強めており、17日午前0時から過去14日以内に外国(中国本土・香港・台湾を除く)に滞在したすべての入境者に対して隔離下における14日間の医学観察を必須とし、18日午前からは非居民(マカオ居民IDカード保有者、中国本土・香港・台湾の居民、「ブルーカード」と呼ばれるマカオで就労許可(就労ビザ)を得た者に発給される身分証を保有者以外)の入境が禁止に。さらに、19日午前0時からは前日の措置で入境禁止の対象外だった「ブルーカード」保有者が禁止対象へ変更された。近日、水際対策は矢継ぎ早に変更(強化)されており、最新情報の把握が重要となっている。

武漢からマカオへ到着したチャーター機から降りる帰還者ら=2020年3月7日、マカオ国際空港(写真:GCS)

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