マカオ、新型コロナ流入阻止へ「ほぼ封鎖」…外国人の入境禁止、香港からの入境も隔離検疫の対象に、空港のトランジットも中止
- 2020/3/24 12:30
- 社会・政治
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行が世界各地へ拡大する中、マカオ政府は海外からの輸入症例に対する警戒を強め、近日では特に中国以外からの流入阻止のための水際対策を相次いで強化している。
直近1週間の動きとしては、3月17日午前0時から過去14日以内に外国(中国本土・香港・台湾を除く)に滞在したすべての入境者に対して政府指定場所(現在は政府が借り上げた指定ホテルのみ)での隔離下における14日間の医学観察を必須とし、18日午前からは非居民(マカオ居民IDカード保有者、中国本土・香港・台湾の居民、「ブルーカード」と呼ばれるマカオで就労許可(就労ビザ)を得た者に発給される身分証を保有者以外)の入境が禁止に。さらに、19日午前0時からは前日の措置で入境禁止の対象外だった「ブルーカード」保有者が禁止対象へ変更された。
また、中国本土居民向けの措置として、過去14日以内に高流行エリアにあたる「広東省、河南省、浙江省、重慶市、北京市、上海市」のいずれかに滞在した旅客が医学検査ステーションにおける6〜8時間の医学検査の対象となり、武漢市含む湖北省については、1月27日から合法医療機関が発行した医師による新型コロナウイルス未感染証明書の提出が必須化されている。
マカオ特別行政区の賀一誠(ホー・ヤッシン)行政長官は3月24日午前に特別記者会見を行い、同月25日午前0時以降、水際対策強化の一環として、新たな入境制限を実施すると発表した。「ほぼ封鎖」ともいえる厳格な措置が講じられる。具体的な内容は下記の通り。
1)マカオ居民:入境可能だが、過去14日以内に外国、香港、台湾滞在歴がある場合、政府指定場所における14日間の隔離検疫の対象。
2)外国人:入境禁止。
3)中国本土・香港・台湾居民:過去14日以内に外国滞在歴がある場合は入境禁止。
4)中国本土・香港・台湾居民:過去14日以内に香港または台湾滞在歴がある場合は入境可能だが政府指定場所における14日間の隔離検疫の対象。
5)中国本土・香港・台湾居民:過去14日以内に外国、香港、台湾の滞在歴がない場合は入境可だが高流行エリアからの入境については医学検査ステーションにおいて医学検査を受けることが必須。
6)過去14日以内に湖北省に滞在した非マカオ居民または中国本土籍のブルーカード保有者は入境にあたって新型コロナウイルス未感染証明書の提出が必須。
上記のほか、同じタイミングでマカオ国際空港におけるトランジット(乗り継ぎ)サービスも中止となる。
日本人に関して補足すると、マカオ居民IDカード保有者は上記の1)、香港永久性居民IDカード保有者は3)〜6)、ブルーカード保有者及び旅客は2)にあたる。
本稿執筆時点(3月24日午後0時)のマカオにおける累計患者数は25人。2月4日までに武漢からの旅客が7人、マカオ人が3人の感染が確認されて以降、40日間にわたって新規感染確認ゼロが続いたが、直近1週間で中国以外からの輸入症例が15例相次いでいる。2月4日以前の感染確認者については、3月6日までに全員が治癒し退院済みで、重症化、死亡、院内感染例はいずれもなかった。目下、隔離病床で入院治療中が15人で、いずれも軽症とのこと。