マカオの新型コロナ感染確認者が累計45人に…3月後半以降中国以外からの輸入症例続く
- 2020/4/8 10:34
- 社会・政治
マカオ政府新型コロナウイルス感染症対策センターは4月8日午前(現地時間、以下同)、新たに1人(第45例)の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)感染者を確認したと発表。
マカオにおける新型コロナの感染確認は3月15日まで40日連続でゼロだったが、以降は35人に上り、累計45人となった。初期の患者10人は武漢からの旅客7人とマカオ居民(「マカオIDカード」保有者)3人で、3月6日までに全員が治癒し退院済みで、重症化、死亡、院内感染例はいずれもなかった。3月中旬以降に確認された患者35人については、すべて中国以外の外国からの輸入症例となっている。目下、35人は指定医療機関となる仁伯爵綜合醫院あるいはコロアン島の公共衛生臨床センターの陰圧病室で入院治療を受けており、1人が重症、その他は軽症とのこと。
3月中旬以降に確認された患者の多くが欧州、中でも英国に滞在していた。内訳は、第11例=ポルトガル帰りの韓国人女性(26、就労ビザ)、第12例=スペインからビジネス目的で来訪のスペイン人男性(47、旅客)、第13例=留学先の英国帰りのマカオ居民女性(20)、第14例=インドネシア帰りのインドネシア人女性(42、就労ビザ)、第15例=フィリピン帰りのフィリピン人男性(31、就労ビザ)、第16例=留学先の英国帰りのマカオ居民女性(19)、第17例=インドネシア帰りのインドネシア人男性(11、第14例の子)、第18例=米国帰りのマカオ居民女性(50)、第19例=留学先の米国帰り(直前にメキシコ訪問歴有)のマカオ居民男性(19、第18例の子)、第20例=留学先の英国帰りのポルトガル籍マカオ居民男性(20)、第21例=留学先の英国帰りのマカオ居民女性(19)、第22例=アイルランド帰りのマカオ居民男性(44)、第23例=留学先の英国帰りのマカオ居民男性(12)、第24例=留学先の英国帰りのマカオ居民男性(21)、第25例=インドネシア帰りのインドネシア人男性(41、就労ビザ、第14例の夫)、第26例=留学先の英国帰りのマカオ居民女性(17)、第27例=英国帰りのマカオ居民男性(28)、第28例=留学先の英国帰りのマカオ居民男性(18)、第29例=留学先の英国帰り(途中香港に1週間滞在)のマカオ居民女性(15)、第30例=米国、英国を経てマカオを訪れていたオーストラリア人男性旅客(52)、第31例=米ニューヨーク帰りのマカオ居民男性(27)、第32例=フィリピン帰りのフィリピン人男性(31、就労ビザ)、第33例=フィリピン帰りのフィリピン人女性(37、就労ビザ)、第34例=フィリピン帰りのマカオ居民男性(43)、第35例=留学先の英国帰りのマカオ居民男性(19)、第36例=留学先のポルトガル帰りのマカオ居民男性(21)、第37例=ポルトガル籍のマカオ居民男性(32、第11例の未婚の夫)、第38例=英国帰りのマカオ居民男性(44)、第39例=フィリピン帰りのマカオ居民女性(9、第34例の子)、第40例=英国帰りのマカオ居民女性(47)、第41例=留学先の英国帰りのマカオ居民男性(20、第40例の子)、第42例=香港帰り(タイ滞在歴あり)のマカオ居民男性(58)、第43例=ポルトガル帰りのマカオ居民女性(53)、第44例=英国帰りのマカオ居民男性(52)、第45例=カンボジア帰りのマカオ居民男性(32)。
世界的に流行が拡大する中、政府が輸入例に対する警戒を強めており、3月中旬以降、水際対策の強化が進んでいる。25日からは、1)マカオ居民:入境可能だが、過去14日以内に外国、香港、台湾滞在歴がある場合、政府指定場所における14日間の隔離検疫の対象。2)外国人:入境禁止。3)中国本土・香港・台湾居民:過去14日以内に外国滞在歴がある場合は入境禁止。4)中国本土・香港・台湾居民:過去14日以内に香港または台湾滞在歴がある場合は入境可能だが政府指定場所における14日間の隔離検疫の対象。5)中国本土・香港・台湾居民:過去14日以内に外国、香港、台湾の滞在歴がない場合は入境可だが高流行エリア(広東省、河南省、浙江省、重慶市、北京市、上海市)からの入境については医学検査ステーションにおいて医学検査を受けることが必須。6)過去14日以内に湖北省に滞在した非マカオ居民または中国本土籍のブルーカード保有者は入境にあたって新型コロナウイルス未感染証明書の提出が必須となり、「ほぼボーダー封鎖」ともいえる厳格な措置が講じられている。上記のほか、3月25日からはマカオ国際空港におけるトランジット(乗り継ぎ)サービスも中止となった。
外国から帰国するマカオ居民の多くが香港国際空港を利用するが、香港でも同様の厳格な水際対策が講じられている。マカオ政府は香港当局の協力を得て、3月17日から15日間にわたって香港国際空港の制限エリアで居民を乗せ、港珠澳大橋を経由してマカオへ帰還させる専用バスを運行する特別措置を講じてきたが、3月31日をもって終了となった。この措置によってマカオへ帰還した人の数は2000人超に上る。4月5日からは港珠澳大橋マカオ側イミグレーションの通関時間も短縮され、6日から大橋の香港側とマカオ側のイミグレーション間を結ぶ港珠澳大橋シャトルバス(通称:金巴=ゴールドバス)が運休に。港珠澳大橋経由のクロスボーダーバス、フェリー(高速船)、ヘリコプターについてもすでに運休となっており、唯一残った金巴の運休によって両地の間の公共交通機関を利用した往来ができなくなった。
なお、輸入症例が相次ぐ中だが、水際対策の強化によってマカオ到着時のイミグレーション施設における検温や隔離検疫中の検査をきっかけに医療機関へ搬送されるケースがほとんどで、これまでのところ市中感染例は報告されていない。
政府新型コロナウイルス感染症対策センターが4月7日午後5時から開催した定例記者会見によれば、政府指定場所での隔離下における医学観察を受けた人の数は累計で3893人、進行中という人の数は1324人(衛生局施設内が6人、指定ホテルが1318人)の上るとのこと。指定ホテルの数はピーク時に12軒、およそ4500室分あったが、帰国のピークが過ぎたことから、一部ホテルが通常営業に戻り、9軒体制で運用しているとのこと。目下、入院中の患者のうち、一部が今週中にも退院見込みという。