マカオ、42日連続新型コロナ新規感染確認なし…輸入関連性症例に限ると131日連続=死亡例ゼロ、PCR検査能力4割増強の2.3万人/日に
- 2020/8/8 8:21
- 社会・政治
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行が世界各地へ拡大する中、国際観光都市マカオでも、状況の変化に応じた各種防疫対策が講じられている。
マカオ政府新型コロナウイルス感染症対策センターは8月7日午後5時(現地時間、以下同)から定例記者会見を開催。マカオ域内における新型コロナウイルス新規感染確認は42日連続ゼロ、輸入関連性症例に限ると実に131日連続ゼロだったとのこと。
これまでの累計退院者数は46人で、7月17日までに全員が退院済み。3月7〜14日と5月20日〜6月25日に続いて新型コロナ流行下で三度目の入院患者ゼロ状態に入っている。
目下、ほぼボーダー封鎖に近いレベルでの厳格な入境制限は維持されているが、マカオ及び広東省における状況が落ち着いてきたことを受け、7月15日から両地の間で水際対策が一部緩和(新型コロナウイルス核酸検査の陰性証明書(PCR検査)の提示などの条件付きで14日間の隔離検疫を免除)された。一方、状況の悪化が確認されている中国本土の一部(新疆ウイグル自治区のウルムチと遼寧省の大連市)及び香港滞在歴のある入境者については近日相次いで水際対策が強化されている。
マカオでは無症状であっても検査で陽性であれば感染確認者と見なされ、指定医療機関に入院して治療を受けることになっている。入院期間は平均3〜4週間、退院後も再発症リスクを考慮して隔離施設(高頂公共衛生臨床センター)の陰圧病室で14日間の経過観察、その後も14日間の自宅待機を必須とする多重の安全措置が講じられている。また、マカオの新型コロナ指定医療機関(2施設)には陰圧病床が232床あり、人工呼吸器72台、人工心肺装置(ECMO)3台を擁し、設備、医療スタッフとも充足。市中感染、院内感染例とも発生しておらず、死亡例もゼロを達成している。
マカオでは今年1月下旬以降、入境制限を含む厳格な防疫措置が講じられている。海外からの輸入症例を阻止するため、3月後半以降、水際対策が一層強化され、現在まで維持されている。市民生活は不便を余儀なくされ、インバウンド旅客の激減に伴う経済への打撃も大きい。マカオ政府は水際対策と同時に、市民が1日1枚のマスクを確実に入手できるよう1月下旬にマスク有償配給制度の立ち上げ、毎年恒例実施している市民への現金配布の前倒しや電子商品券の配布といった民生、経済支援対策にも乗り出している。
マカオでは、政府直営または委託先検査機関が運営する新型コロナウイルス核酸検査ステーションが市内に3ヶ所設けられている。
主に中国本土の広東省との往来やマカオのカジノ施設入場にあたって陰性証明の提示が必須となっており、そういった需要に対応したもの。スマートフォンのアプリや特設サイトから予約する方式が採用されており、検査結果も電子データとして提供される。
マカオにおける核酸検査のキャパシティは段階的に増強されており、これまで1日あたり約1万6000人だったが、直近では約4割増の2.3万人に達しているとのこと。マカオの人口は約70万人だが、すでに30万人が検査を受けたという。
核酸検査費を8月12日から120マカオパタカ(日本円換算:約1600円)に変更され、従来より約3割の引き下げとなる。なお、市民(マカオ居民IDカード保有者及びブルーカードと呼ばれるマカオ外地就労者身分証保有者)については、初回の検査費が無料となっている。
このほか、夏休み明けにマカオから海外の学校へ戻る必要のある学生の移動について、各方面との協議を結果、台湾のエバー航空がマカオ発、台北経由でロンドンへ向かうフライトを8月26日、9月9日、9月23日に、同じくパリへ向かうフライトを8月28日、9月24日に運行すると発表され、手続き及び詳細はエバー航空の航空券を取り扱う旅行社へ問い合わせるよう呼びかけた。