マカオ、150日連続新型コロナ新規感染確認なし…輸入関連性症例に限ると239日連続、死亡例もゼロ…マスク有償配給制度継続
- 2020/11/23 21:48
- 社会・政治
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行が世界各地へ拡大し、終息の兆しが見えない中、国際観光都市マカオでも状況の変化に応じた各種防疫対策が講じられている。
マカオ政府新型コロナウイルス感染症対策センターは11月23日午後5時(現地時間、以下同)から週に一度の定例記者会見を開催。マカオ域内における新型コロナウイルス新規感染確認は150日連続ゼロ、輸入関連性症例に限ると実に239日連続ゼロだったとのこと。
これまでの累計退院者数は46人で、7月17日までに全員が退院済み。3月7〜14日と5月20日〜6月25日に続いて新型コロナ流行下で三度目かつ最長の入院患者ゼロ状態に入っている。
目下、外地からの新型コロナ流入防止を目的とした厳格な入境制限は維持されているが、マカオ及び広東省における状況が落ち着いてきたことを受け、7月15日から両地の間で水際対策が一部緩和(新型コロナウイルス核酸検査の陰性証明書の提示などの条件付きで14日間の隔離検疫を免除)された。また、中国広東省珠海市居民及び広東省居民を対象にしたビザに相当するマカオ渡航許可(個人・団体観光旅行)の申請がそれぞれ8月12日、26日から再開。さらに、9月23日から中国本土全域に拡大された。ただし、状況に応じて高リスク地区が指定され、当該地区に滞在していた場合はマカオ入境時に14日間の隔離検疫が必要となる。外国人の入境禁止は維持されているが、12月1日から一部緩和される。ただし、マカオ入境前14日間以上中国本土に滞在していることなどの諸条件をクリアした上でマカオ当局へ事前申請して可否判断を仰ぐ必要があり、恩恵を受ける数は限定的とみられる。23日午後までの申請数は60件、人数にして76人分で、すべて審査中とのこと。
マカオでは無症状であっても検査で陽性であれば感染確認者と見なされ、指定医療機関に入院して治療を受けることになっている。入院期間は平均3〜4週間、退院後も再発症リスクを考慮して隔離施設(高頂公共衛生臨床センター)の陰圧病室で14日間の経過観察、その後も14日間の自宅待機を必須とする多重の安全措置が講じられている。多重の防疫措置に加え、設備、医療スタッフとも充足。これまで市中感染、院内感染例とも発生しておらず、死亡例もゼロを達成している。
今年1月下旬以降、入境制限を含む厳格な防疫措置が講じられており、市民生活は不便を余儀なくされ、インバウンド旅客の激減に伴う経済への打撃も大きい。マカオ政府は水際対策と同時に、市民が1日1枚のマスクを確実に入手できるよう1月下旬にマスク有償配給制度の立ち上げ、毎年恒例実施している市民への現金配布の前倒しや電子商品券の配布といった民生、経済支援対策にも乗り出している。11月28日から24回目のマスク販売期がスタートする予定。第19回までが10日に一度だったが、第20回以降は30日間の実施となっており、30枚1組で24マカオパタカ(日本円換算:約320円)。1枚あたり単価は初回から変わっていない。現在進行中の第23回の販売枚数は約890万枚、初回からの累計は約1.6億枚に上るとのこと。衛生局の担当者は、直近の2〜3回については販売枚数が減少傾向にあり、市場に合理的な価格のマスクが出回り始めたことと関係があるとの見方を示した。
このほか、12月6日に開催を予定している大規模スポーツイベント「第39回マカオ国際マラソン」に関して、衛生局は参加者に対して大会7日以内に新型コロナウイルス核酸検査を受け、陰性証明を取得することを求める方針を明らかにした。参加予定者は約1.2万人だが、マカオにおける検査能力は1日あたり3万人分となっており、対応可能という。大規模イベント開催にあたっての防疫措置の一環で、11月20日から22日にかけて実施された第67回マカオグランプリでも参加選手、チームスタッフ、運営スタッフ全員に対する検査が実施されている。