マカオにデータセンターと開発拠点置くオンラインカジノ犯罪集団初摘発…東南アジア向け開発受託、実在するカジノ運営会社名の盗用も
- 2020/12/12 11:56
- 社会・政治
マカオ司法警察局は12月11日、マカオにオンラインカジノのデータセンターとウェブサイト及びスマートフォン向けアプリの開発拠点を置く犯罪グループを初摘発したと発表。逮捕者はマカオ及び中国本土出身の男女4人で、首謀者は先に中国広東省珠海市で逮捕されているという。
警察発表によれば、当該犯罪グループは家族経営で、マカオの通信会社から借り受けたデータセンターにサーバー10台を設置し、非合法なオンラインカジノウェブサイト及びスマートフォン向けアプリの開発と管理を行っていたとのこと。一部のウェブサイトでマカオに実在するカジノ運営会社の名称を盗用していたこと、少なくとも40の海外のオンラインカジノウェブサイトへデータアクセスを提供していたこと、タイやカンボジアなど東南アジアの非合法グループに対してオンラインカジノウェブサイト構築・運営や現地の違法・合法ランドカジノのゲーミングテーブルのライブ中継のサポートを行っていたことが確認されたという。
中国本土の警察当局から情報提供があり、内偵調査を進めた後、機が熟したとして12月10日にマカオの関係先とみられるオフィス及び住宅に対する一斉摘発を実施し、大量の証拠資料の押収に成功。同グループは2016年から活動を開始し、これまでに少なくとも1億マカオパタカ(日本円換算:約13億円)の利益を得ていたものとみられるとした。
マカオは世界最大のカジノ売上を誇る都市として知られる。市内には約40のカジノ施設(いわゆるランドカジノ)があり、マカオ政府とコンセッション(経営権契約)を結んだ6つの民間事業者が運営している。一方、マカオにはオンラインカジノ(インタラクティブゲーミング)のライセンス類は存在せず、当然ながら開設や運営などは認められていない。近年、マカオに実在するカジノ運営企業やカジノ施設の名称を盗用したオンラインカジノが複数確認されており、マカオカジノ監理当局やカジノ運営会社が再三にわたって注意を呼びかけている。