マカオ、11月のインバウンド旅客数が63.6万人に…対前年78.1%減も対前月では9.3%増=中国本土からの入境制限緩和で回復傾向

 マカオ政府統計調査局は12月23日、今年(2020年)11月及び1〜11月累計の訪マカオ外客数(インバウンド旅客数)統計を公表。

 11月のインバウンド旅客数は前年同月から78.1%減、前月から9.3%増の63万6351人(延べ、以下同)だった。対前月では7ヶ月連続のプラス。宿泊を伴う旅客が全体の50.9%を占めた。旅客の平均滞在時間は前年同月から0.5日延びて1.7日に。宿泊を伴う旅客の平均滞在時間は0.7日延びて3.1日、日帰り旅客は0.1日短い0.1日だった。

 11月のインバウンド旅客のうち国・地域別で最多だったのは中国本土からの旅客で、全体の92.5%を占める58万8511人、前年同月比では71.0%減。このうち個人旅行客は17万4002人。中国本土からの旅客の原居地別では、珠江デルタ9市が55.6%、マカオに隣接する広東省珠海市が48.6%を占めた。香港と台湾からの旅客はそれぞれ4万3178人、4589人。入境ルート別では、陸路が59万8045人、空路が2万5206人、海路が1万3100人。

マカオの著名観光スポットのひとつ、世界遺産・聖ドミニコ広場の様子(資料)=2020年11月24日本紙撮影

 中国本土旅客がけん引するかたちでインバウンド旅客数が復調傾向にある背景として、マカオと中国本土における流行状況が落ち着いてきたことを受け、7月15日から両地の間で水際対策が一部緩和(新型コロナウイルス核酸検査の陰性証明書の提示などの条件付きで14日間の隔離検疫を免除)された上、中国広東省珠海市居民及び広東省居民を対象にしたビザに相当するマカオ渡航許可(個人・団体観光旅行)の申請受付がそれぞれ8月12日、26日から再開、9月23日から中国本土全域に拡大したことが挙げられる。これと並行してマカオと中国各地を結ぶ海路、空路の交通アクセスも元に戻りつつある。

 香港、台湾居民については、直近の滞在地、渡航歴によって分類され、入境禁止、14日間または21日間の政府指定のホテルにおける隔離検疫(費用は自己負担)、新型コロナウイルス核酸検査陰性証明書の提示を求めるなどの対応。外国人(マカオ就労ビザ保有者を含む)については原則入境禁止が維持されているが、12月1日からマカオ入境前21日間以上中国本土に滞在していることや入境目的などの諸条件をクリアした上でマカオ当局へ事前入境申請ができるようになった。しかしながら、条件が厳しいことから恩恵を受ける数は限定的とみられる。

 今年1〜11月累計のインバウンド旅客数は前年同時期から85.6%減の523万7441人。

 参考までに、昨年通期のインバウンド旅客数は前年から10.1%増の3940万6181人に上り、3年連続で過去最多を更新。中国本土旅客が占める割合は約7割だった。

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