香港、1/10単日の新型コロナ新規感染確認数31人…香港島と離島結ぶフェリーで新たなクラスター出現か

 人口約750万人の香港では、昨年(2020年)11月下旬から新型コロナウイルス感染症の流行「第4波」が続いている。

 香港政府は1月10日夕方の記者会見で、同日午前0時時点集計の単日の新規感染確認数が31人だったと発表。内訳は市中感染が28人、輸入性が3人。新規感染確認数は22日連続で2桁にとどまったが、市中感染のうち感染経路不明は9人に上った。このほか、陽性予備群(初歩感染確認者)は30人以上とのこと。

 依然として市内各所で集団感染(クラスター)や集合住宅(マンション、宿舎)における感染連鎖も続いている状況。近日出現した九龍の馬頭角と油麻地を結ぶトンネル工事現場の事案では、新たに6人の感染確認及び1人の初歩感染確認があり、感染確認者の累計は8人に。新たなクラスターとみられる事案では、香港島と複数の離島を結ぶフェリーを運航する港九小輪所属の船長1人と船員3人の新規感染確認があった。4人は3つの路線を担当していたという。目下、衛生当局が密接接触者の追跡を進めており、船員ら100人規模になる模様。また、九龍・ホンハム地区にある高齢者介護施設の職員1人が初歩感染確認となったため、施設の入所者31人とスタッフ15人が密接接触者として強制検疫の対象とされた。

 ここまでの香港における累計感染確認数は9243人、退院者数は8422人、死者数は158人。

 香港では、1月頭にかけて新規感染確認数が明確に減少したが、ここ数日の間に再び状況が悪化。香港衛生当局では、年末の長期休暇中に市中で無症状の感染者による伝播があった可能性が指摘している。

 香港政府は英国や南アフリカで感染力が強いとされる変異種のウイルスが出現したこと、クラスター及び感染経路不明事案が続いていることなどを受け、相次いで防疫措置の厳格化を図っている。飲食店での同席数を2人までとし、夕食時間帯の営業を禁止するなどの現行のソーシャルディスタンス措置を1月20日まで延長。幼稚園、小学校、中学校(日本の中学・高校に相当)は対面授業を見合わせる事実上の休校措置も旧正月休みまで継続することが発表済み。香港では広く検査キットの配布が行われており、検査所も市内各所に設けられている。

香港の町並み(資料)—本紙撮影

香港の町並み(資料)—本紙撮影

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