マカオ国際空港滑走路脇の排水口付近に絶滅危惧種「ピンクイルカ」の死骸が漂着

 マカオ市政署(IAM)は1月14日、同月13日午後にマカオ国際空港から滑走路の排水口付近で1頭のイルカの死骸を発見したとの通報を受け、職員を現場へ派遣し、調査を実施したと発表。

 マカオ国際空港はタイパ島北東部にあり、滑走路は海に突き出たかたちとなっている。

 IAMでは、初歩鑑定結果として中国の第一級保護動物に指定されているピンクイルカ(中華白海豚、日本語名:シナウスシロイルカ)の死骸であることが確認されたとした。個体は幼年のオスで、体長は1.08メートル。発見時点で表皮の一部が脱落していたことから、死亡後に海流に乗って現場に漂着したとみられる。すでに腐乱が始まっているため、衛生面を考慮してマカオで火葬する予定とのこと。

 シナウスシロイルカの学名はSousa chinensis、主にインド洋から太平洋沿岸に生息している。中国では、広東省から香港、マカオにかけての珠江口が主な生息地となる。マカオ沿岸でピンクイルカの死骸が発見されるのは今年初めて。前回発見されたのは昨年12月下旬のことで、昨年累計では6頭。いずれも死亡してから海流に乗って漂着したものだった。 

 昨今、都市化が進んだマカオ沿岸でもイルカの泳ぐ様子が確認されている。コロナ禍でマカオ周辺海域を航行する船舶が少なくなっていることとの関連も指摘されている。

 IAMでは、浅瀬に取り残されたイルカを発見した場合、速やかにIAMに通報するよう呼びかけている。

マカオ国際空港滑走路の排水口付近で見つかったイルカの死骸の調査の様子=2021年1月13日(IAM)

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