香港、1/30の新型コロナ新規感染確認数28人…感染経路不明は1桁に=当局は保守的な見通し崩さず

 人口約750万人の香港では、昨年(2020年)11月下旬から新型コロナウイルス感染症の流行「第4波」が続いている。

 香港政府は1月30日夕方の記者会見で、同日午前0時時点集計の単日の新規感染確認数が前日から22人減の28人だったと発表。1月14日以降で最少。内訳は市中感染が22人減の26人、輸入性が2人。市中感染のうち感染経路不明は6人で、前日から10人減。ただし、翌日以降に感染確認となる可能性が高い陽性予備群(初歩感染確認者)は40人超とのこと。

 香港衛生防護センターでは、市中における新規感染確認者数は下落に転じたものの、過去1週間は高水準が続く中、今後も流行状況が変動する可能性があるとし、これまで同様の保守的な見通しを崩さなかった。また、春節(旧正月)が近づいており、家族で集まる機会も増えることが予想されることから、感染連鎖のリスクが上昇するとの懸念も示した。

 依然として市内各所で集団感染(クラスター)の出現が続いている状況。近日、マンションの同一棟内での感染連鎖が多数確認されており、当局が感染者の出現したビルの住民を対象とした強制検査を実施するケースが増えている。この日は香港国際空港第3滑走路建設工事現場の作業員5人の新規感染確認があり、この事案の累計感染確認者数は9人に。すでに当局が強制検査令を発しており、工事をストップして消毒作業を実施するとともに、約6000人が検査を受けるとのこと。第4波下では、これまでに複数の建設工事現場でクラスターが出現しており、貨物コンテナを改造した休憩室などの共用施設が主要な感染経路とみられる。

 香港は人口密度が高く、交通機関も発達しており、エリアを跨ぐ人の移動が多い土地柄。市中に存在する無症状感染者が日常生活を送る中で感染を拡大させている可能性が指摘されている。

 ここまでの香港における累計感染確認数は1万0372人、退院者数は9302人、死者数は177人。

香港特別行政区のイメージ(資料)—本紙撮影

 香港政府は早期に市中感染ゼロを達成することを目標として掲げ、状況に応じた施策を打ち出している。12月下旬に英国や南アフリカで変異種のウイルスが出現し、香港にも流入したこと、クラスター及び感染経路不明事案が続いていることなどを受け、ソーシャルディスタンス措置(飲食店のイートインは1テーブルあたり2人までに制限、飲食店の夕食時間帯以降の営業禁止、バー・美容院・劇場・カラオケ店ほか多業種を対象とした閉鎖令など)、学校の対面授業の見合わせ、複数感染者が確認されたマンション・雑居ビル等を対象とする強制検査、水際対策の厳格化、密接接触者追跡センターの設置などが進んでいる。

 一方、香港の隣にある人口約68万人のマカオでは、1月21日に約7ヶ月ぶりに新規感染確認があった。ドバイからの入境者(帰郷者)で、輸入性事例にあたる。ただし、市中における感染確認に関しては1月30日まで307日連続ゼロ。すでに中国本土との往来制限の緩和が進み、中国本土からのインバウンド旅客が戻りつつある中でも長期にわたって市中感染ゼロを維持できていることから、域内、周辺地域、世界の流行状況に応じて迅速に防疫措置の内容を調整する方策が機能しているといえる。マカオ当局では、外地での感染リスク及びマカオへの流入防止対策として、春節(旧正月)ホリデーは外遊を避け、マカオに留まるよう呼びかけている。

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