マカオ、新型コロナ再流行出現相次ぐ中国北方からの輸入事案に警戒…入境時隔離検疫対象地域拡大、市民に「外遊控えて」

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行が世界各地へ拡大し、終息の兆しが見えない中、国際観光都市マカオでも状況の変化に応じた各種防疫対策が講じられている。

 マカオでは、1月21日に約7ヶ月ぶりとなる新型コロナ新規確認があったものの、患者はドバイ滞在歴があり、輸入性事案だった。市中感染例については300日以上にわたってゼロを維持できており、封じ込めに成功している状況。

 目下、外地からの新型コロナ流入防止を目的とした厳格な入境制限は維持されているが、中国本土でも概ね状況が落ち着いたことを受けて7月中旬以降、両地間の往来制限が段階的に緩和された。9月下旬までに中国全土で訪マカオ許可(観光ビザに相当)の申請・発給が再開され、一部の「中リスク地域」を除き、新型コロナウイルス核酸検査陰性証明取得などの条件を満たせば隔離検疫なしでの往来が可能となっている。

 中リスク地域の指定は市中感染例の出現状況に応じて随時アップデートされ、マカオ入境前14日内に滞在歴がある場合、マカオ到着後、政府指定場所で14日間の医学観察(強制隔離検疫)を受けることが必須で、さらに隔離検疫満了後も14日間の自己健康管理期間として個人防疫対策を講じることが求められる。最近、中国北方で市中感染例が確認される再流行事例が相次いでおり、中リスク地域の追加指定が相次いでいる。地域指定は社区と呼ばれる基礎行政区画など比較的細かく設定されるが、比較的広い区域や、大都市全域が対象となるような例もある。

マカオフォーラムに開設された新型コロナウイルス核酸検査ステーション(資料)=2020年7月21日(写真:GCS)

 マカオ政府新型コロナウイルス感染症対策センターは1月30日、翌31日午前0時(マカオ時間、以下同)以降、黒竜江省ハルビン市南崗区を新たに中リスク地域に指定した。

 マカオ政府による1月31日午前0時時点の中リスク地域は下記の通り。

■河北省:石家荘市全域、廊坊市の固安県、邢台市の南宮市/隆堯県、保定市の定州市西城区龐白土新民居北区
■北京市:北石槽鎮、趙全営鎮、大興区天宮院街道
■遼寧省:大連市全域
■黒竜江省:綏化市、チチハル市昂昂溪区、ハルビン市香坊区/道裡区/道外区/利民開発区/呼蘭区、大慶市竜鳳区/南崗区
■吉林省:通化市、長春市の公主嶺市范家屯鎮/二道区/緑園区、松原市松原経済技術開発区/寧江区
■上海市:黄浦区外灘街道轄区(昭通路居民区と貴西小区含む)、南京東路街道轄区、宝山区友誼路街道轄区

 なお、マカオ政府は外国人の入境を禁止としている。昨今の変異種の出現などを受け、中国本土、台湾、香港居民についても直近21日以内に外国滞在歴がある場合は入境禁止となっている。

 中国本土との往来制限緩和後もマカオでは市中感染ゼロを維持できており、各種防疫対策が機能しているといえる。

 マカオ政府は、春節(旧正月)ホリデーシーズンを迎えるにあたり、早い段階から外地での感染リスク及びマカオへの流入防止対策としてマカオで就労する中国本土出身の労働者に対して帰省を、市民に対して外遊を控えるようそれぞれ求めてきた。1月28日には必要に迫られ渡航する場合、渡航先における自己防疫措置を徹底した上、人の集まる場所や医療機関などを訪問しないこと、広東省以外の特に中国北方地域を訪問してマカオへ戻る場合に隔離検疫対象となる可能性があることなどのリスク提示をあらためて発出した。

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